[コソ鍋・佰伍拾壱]鍋なのに焼くの?!宮内庁も御用達の青森シャモロックを使った衝撃的な水炊き!


サラリーマンの街、新橋

「サラリーマンの街」と言って思いつく場所、それが「新橋」。なぜ、新橋=サラリーマンの街なのか?――ネットで「新橋 サラリーマン なぜ」と検索するだけでもいろいろな記事が見つかります。

大きく共通しているポイントとして、

  • オフィス街→言わずもがなサラリーマンが集まる
  • 呑み屋街→呑んで呑んで呑まれて呑んで(呑み過ぎ注意)
  • リーズナブル≒安い→足を運びやすい

といったキーワードが見つかりました。

とくにリーズナブルというのは大きなポイントではないでしょうか。そんな中、日経さんの「サラリーマンに優しい迷宮・新橋 安さ支える意外な秘密 「当世」東海道繁盛記(3)」という記事が大変おもしろく、中でも「高級感あふれる銀座に対し、等身大のサラリーマンが集う新橋。個性的で小さな店がビルや路地裏にひしめき、知っている人だけが行き着ける――。そんな奥深さが大人を引き付ける。」という表現が、新橋を表しているなと思いました。

そんなサラリーマンの街、魅力的な街である新橋界隈に、鍋、つつこ。でも何度も足を運んでいます。

ちょっとピックアップしてみたらすでに7軒。しかも銀座や有楽町エリアは外して、“新橋という街のみ”です。さらに、つついた鍋の種類も、もつ鍋やちり鍋といった定番のものから、地方色溢れる能登鍋に水炊き餃子、さらには鰯のつみれ鍋にプルコギ鍋・チゲ鍋と多種多様。

個性的で小さな店がひしめき合う街ならではの特色ですね。

今回もそんな「鍋の極彩色が豊か」とも言える街、新橋で、魅力的な鍋をつついてきました。

サラリーマンの街、新橋。

サラリーマンの街、新橋。

青森の味を新橋で堪能

新橋駅西口に広がる呑み屋街をふらふらと歩いて見つけたのが今回お邪魔した「新橋シャモロック酒場」さん。名前からしてロックなのですが、何より入口に掲げられた「青森シャモロック」の文字。

店構え。 「青森シャモロック」の暖簾が気になる。 (写真はお店公式を引用)

店構え。
「青森シャモロック」の暖簾が気になる。
(写真はお店公式を引用)

つい先日も青森・弘前に行ってきたばかりでもあったのでとても気になります。それからいろいろふらふらしたのですが、ここをこの日のお店にしました。

入店してテーブルに案内されると、いきなりこだわりの箸袋とお皿が用意されていました。

箸袋にもこだわりが見える。

箸袋にもこだわりが見える。

村越さん……誰なんだと思いつつ、すぐに出てきたのがこちらのお通し。特製の鶏メンチ。お通しに揚げ物って意外。

お通しの特製鶏メンチ。

お通しの特製鶏メンチ。

さらに、メンチの横にはこの自家製りんごソースが用意されていました。

お通しにはこの自家製りんごソースをかけます。

お通しにはこの自家製りんごソースをかけます。

メンチにりんごソース……想像が付かないのですが、ススメられていますのでさっそく。

ふわっふわ。 お通しでこのレベル!期待が高まる。

ふわっふわ。
お通しでこのレベル!期待が高まる。

美味い!外はカリカリ、中はふわっふわ。そしてりんごソースが清涼感を加えてくれます。お通しからこのレベル、期待が高まります。

そして、青森といえば日本酒。こちらでは日本酒は八戸酒造の地酒「陸奥八仙」のみの提供。このあたりにもこだわりを感じる。

青森の地酒「陸奥八仙」。

青森の地酒「陸奥八仙」。

今回、純米吟醸無濾過(黒ラベル)をいただきました。旨味が強いながらもフレッシュな舌触り。酒が進むね。

青森の味を新橋で

さぁ、気になるシャモロック……の前に、せっかくなので青森の味や新橋ならではの味を楽しみました。

こちらは貝味噌焼き。ホタテとウニの旨味たっぷり、日本酒に合うね!

青森郷土料理「ホタテとウニの貝味噌焼き」。

青森郷土料理「ホタテとウニの貝味噌焼き」。

厚揚げのとろろかけ。こういう居酒屋ならではのメニュー、ホッとします。新橋マジック。

厚揚げのとろろかけ。

厚揚げのとろろかけ。

新橋は元気が出る街!

もうちょっと日本酒もと思いつつ、酒のメニューを観て気になるものを発見。その名も「新橋ハイボール」。

ハイボールにもいろいろ。

ハイボールにもいろいろ。

なんだろう?と思って店員さんに質問したら「新橋は元気が出る街なんですよ。だから元気が出るハイボール」って。

わからないので「で、何が違うんですか?」とさらに問いただしたところ、「呑んだら元気になるハイボールです」と、にこやかに。

ふむ。がってん承知之助。そこまで言われたら呑んでみないと。で、出てきたのがこちら。

赤まむしドリンクかーい!w

まさかこんなところで赤まむしドリンク初体験をするとはw

これをハイボールに混ぜて呑むのがシャモロック流の新橋ハイボールです。

新橋ハイボールの正体はこれ!

新橋ハイボールの正体はこれ!

混ぜて呑んでみたらもうハイボールっていうか、赤まむしドリンクの味しかしない。そして、元気が出た!(気がするw)

元気が出るぞ!w

元気が出るぞ!w

鍋の登場まで、前置きが長くなりました。でも、それが新橋の魅力、シャモロック酒場の魅力なんです。

固定概念が壊された、シャモロックの水炊き

お腹も落ち着き、元気が出たところで、メインの鍋のオーダー。いろいろな鍋がある中、店員さんから「シャモロックの味を楽しめるのはこちらの鍋だけ」と言われたのが、このシャモ鍋。

名物シャモ鍋。 水炊きとすき焼きのいずれかを選ぶ。

名物シャモ鍋。
水炊きとすき焼きのいずれかを選ぶ。

「純シャモロックスープの水炊き」と「ザラ飴で作るすき焼き」。どちらも気になる!どうしよう!迷いに迷って、今回選んだのは「純シャモロックスープの水炊き」です。

まさかの鉄鍋焼き

「鍋の準備を始めます」と登場したのが鉄鍋。鉄鍋自体はまあ良いとして、あれ?なぜか油が引いてある。

?油を引いた鉄鍋が登場?

?油を引いた鉄鍋が登場?

上から観てもテカテカ。「鉄板焼きか?」と思いながら待っていたら……

上から。 いきなり先入観が壊される水炊き。

上から。
いきなり先入観が壊される水炊き。

本当に焼き始めたよ!鶏肉(シャモロック)をどんどんどんどん。

!!!!! なんと、シャモロックを鉄鍋で焼き始めた。

!!!!!
なんと、シャモロックを鉄鍋で焼き始めた。

鍋一面にシャモロック。でも煮てない!焼いてる!

一面に敷き詰める。

一面に敷き詰める。

聞こえてくる音は「グツグツ」ではなく「ジュージュー」。たしかに、ジンギスカンだったり、メンバー大崎十八番のタイのムーガタだったり、焼く鍋はいろいろあるけど、水炊きで焼くって。

ここまで鍋の気配なし。

ここまで鍋の気配なし。

まったく鍋の(煮る)気配なし。

両面をしっかり焼く。 このまま食べたい!

両面をしっかり焼く。
このまま食べたい!

両面を焼いたら、どうするかとおもいきや、店員さんは鍋の中央に空きスペースを作りはじめました。

さらに中央部を空けて……

さらに中央部を空けて……

そして今度は!鶏つくねを、またまた、ジュージュー。焼き鶏かーいw

続いて鶏つくねも焼き始める!

続いて鶏つくねも焼き始める!

これ、鉄板焼きって思って観てたら普通だし、美味しそうだし。

鍋っていうか、もう鉄板焼き。鶏も鶏つくねも食べたい!

鍋っていうか、もう鉄板焼き。鶏も鶏つくねも食べたい!

これでも鍋(の準備中)なんです。

食欲をそそる焦げ色。

食欲をそそる焦げ色。

すっかり焼色に胃袋が惹かれる中、次のステージへと進みました。

コンボイ司令官もびっくり!焼き→鍋へのトランスフォーム

店員さんが次に手にしたのは竹筒。そこから未確認物体投入。

ここで未確認物体の登場。

ここで未確認物体の登場。

なんだこれは?と聞いてみたら「シャモロックから取った出汁スープを固めたものです」とのこと。なるほど、言わば、出汁スープのジュレか。

そう、シャモロックで取った出汁のジュレ。

そう、シャモロックで取った出汁のジュレ。

どんどん投入していきます。

すべてのジュレを入れたところ。 火が通ってジュレが溶け始める。

すべてのジュレを入れたところ。
火が通ってジュレが溶け始める。

火が通ってジュレが溶け始めると、あれよあれよ鉄板焼きから鉄鍋の煮込みへ。コンボイ司令官((c)トランスフォーマー)もビックリのトランスフォームです。

そして、最後に一面のキャベツを投入。

さらにそこに山盛りのキャベツ。 ここの水炊きは鶏肉とキャベツのみ!

さらにそこに山盛りのキャベツ。
ここの水炊きは鶏肉とキャベツのみ!

水炊きにキャベツってけっこう意外ですよね。そう思って聞いてみたら「当店はキャベツのみなんです。ちなみにすき焼きもキャベツですよ」とのこと。なるほど。ここにも味へのこだわりがあるわけですね。

鍋の縁。 だいぶ鍋っぽくなってきた。

鍋の縁。
だいぶ鍋っぽくなってきた。

ジュージューという音ではなく、グツグツと。鍋っぽくなってきました。

最初の鶏焼きが、気づいてみたらすっかり鍋の体裁に。

最初の鶏焼きが、気づいてみたらすっかり鍋の体裁に。

どうです?もう鍋ですよね。

完成!

完成!

色味が最高。観るからに旨そうです。

鶏肉・キャベツ・出汁スープの色味がいいね!

完成!
鶏肉・キャベツ・出汁スープの色味がいいね!

衝撃的な水炊きに出会った!

お店の方から「完成です」と言われ、さっそく呑水に取り分けて、いただきます!

さっそくいただきます! 期待が高まる!

さっそくいただきます!
期待が高まる!

すごい!本当に濃厚!味が濃い。美味い、そして、旨い。スープだけでも満足感が高い中、まずは焼いたシャモロック。すげー。こんなに味の濃い鶏肉は初めて。美味しい。そして、歯ごたえがあるけど柔らかい。

続いて、鶏つくねも。こちらはお通しのメンチと同じくふわっふわ。ただ、焼いているので外はほどよくカリカリ。旨い。

具材が少ない分、鶏肉もキャベツもしっかり食べられる。二人前でも十分すぎる!

具材が少ない分、鶏肉もキャベツもしっかり食べられる。二人前でも十分すぎる!

この鍋、普通の鍋に比べて具の種類が少ないんです。食材で言ったら鶏肉(シャモロック)とキャベツ、そして出汁スープのみ。なので、1種類あたりのボリュームがたっぷり。食べても食べても減りませんw

おかわりしまくり。

おかわりしまくり。

何度もおかわりして、シャモロックの焼きもつくねも、そして、たっぷり味を染みこんだキャベツも満喫できました!

具をすべて完食。 残った出汁スープが旨そう!

具をすべて完食。
残った出汁スープが旨そう!

〆はラーメン

完食。かなりお腹いっぱいではあったんですが、このシャモロックスープをこのまま諦めるのはもったいない。ここはなんとしても〆なければ。

雑炊もいいし、ラーメンもいいし……と迷いつつ、鶏がらスープのラーメンを想像したらやばかったのでラーメンにしました。

もう説明は要らないですよね 🙂

〆。今回はラーメンにしてみた。

〆。今回はラーメンにしてみた。

麺を煮込み。

これまたやばい! 早く食べたい!

これまたやばい!
早く食べたい!

完成!

濃厚鶏ガラパイタンスープのラーメン。 このラーメンでも一軒店が開けそう。

濃厚鶏ガラパイタンスープのラーメン。
このラーメンでも一軒店が開けそう。

スープもすべて完食。 ごちそうさまでした!

スープもすべて完食。
ごちそうさまでした!

いやー、満足満足。ごちそうさまでした。

こんなに衝撃的で新鮮で、そして、満足できる水炊きは初めて。水炊きに限らず、これまでつついてきた鍋の中でもトップ3に入る味でした。

“シャモロック”って何だ?

さてさて。

ここまで普通に紹介してきた“シャモロック”。鶏の名前(軍鶏(シャモ))であることは伝わったかと思うのですが、実際のところ、どんな鶏なんでしょうか。しかも、箸袋やメニューに書いてあった村越さんとは一体何者?

調べてみたらすぐにヒット!

青森県産地鶏 こだわりの村越の青森シャモロック
http://murakoshi-syamorockpark.jp/

こちらのサイトにも書いてあるとおり、シャモロックとは

青森県畜産試験場が20年の歳月をかけて作り上げた青森の県産地鶏です。

とのこと。
なんと!究極の味を求めて20年の歳月をかけて生まれた地鶏なんですね。さらに詳しく解説すると「黄斑シャモの雄と速羽性黄斑プリマスロックの雌とを交配して作られる一代雑種の鶏」とのこと。つまり、限られた鶏の雄と雌を交配させて誕生した、食用のための鶏。

さらにさらに。

青森シャモロックの飼育マニュアルには、ヒナの生産量の制限や羽数・配布時期等の制限の他に、抗菌性飼料添加物は一切使用せず、出荷までの一定期間うまみを引き出すために、餌にニンニクの粉末を混ぜるといった項目もあるそう。

しかも、この地鶏は、宮内庁管轄の御料牧場へひなが出荷されている唯一の地鶏だそうです。

その中で「村越シャモロックパーク」から直送されているシャモロックがこちらでいただいた地鶏。

いろいろな説明があり、とにかくすごい地鶏であることがわかったのですが、何よりこれが食用のために作り上げられた、そして、青森の郷土だからこそ生まれた鶏であるということがすごい!

青森という土地を活かした地域貢献もそうですが、とにかく人間の食い意地ってすごい!(褒め言葉)

僕たちも飽くなき味の探求をしながら、鍋、つつこ。

(文責・馮)

今回つついた鍋

種類: 純シャモロックスープの水炊き
店名: 新橋シャモロック酒場(東京・新橋)
URL: http://tabelog.com/tokyo/A1301/A130103/13099730/

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