[コソ鍋・佰四拾壱]居酒屋という“場”の鍋について考えてみた~モンローの家の豚肉入り柔らか豆腐チゲ鍋


最近、居酒屋にハマっています。

そもそも酒を呑んで食べることが好きではあったのですが、この夏『昭和酒場を歩く―東京盛り場今昔探訪』や『居酒屋を極める』といった本を読み、居酒屋への意識が強くなり、そして次の2冊に出会ってその奥深さをさらに知りたくなったのです。

『呑めば、都』

『日本の居酒屋文化 赤提灯の魅力を探る』

この2冊はマイク・モラスキーさんというアメリカ出身の大学教授が、独自の視点で居酒屋を捉え、エッセイとしてまとめたもの。とにかく「主観」を強く感じさせてくれる本で、ときに「なるほど」「そうだったのか」、ときに「それは違うだろ」など、「居酒屋」という(僕にとって)身近な存在だからこそ、よけいにのめり込まされる内容の本でした。

前置きが長くなりました。

いろいろと知識を得たり、人の考えを知るとまた自分の感覚と照らし合わせて体験したくなると言うのが人の性。鍋、つつこ。のメンバーの一員としては、居酒屋という空間と鍋についてもいろいろしりたくなってきたのです。

ということでさっそく居酒屋へ。

今回お邪魔したのは新橋の雑居ビルにある「豚肉専門 居酒屋 モンローの家」さん。名前からして気になる居酒屋です(この日は自分が参加しているコミュニティのMTG後の懇談会でした)。

店内にはマリリン・モンローの写真が飾られていました。おそらく店名はマリリン・モンローから取られたんですね(詳しく聞けなかったので次回来店時には取材しないと!)。

店の名前の由来でもあるマリリン・モンローに見つめられて。

店の名前の由来でもあるマリリン・モンローに見つめられて。

豊富で多彩なメニューがある居酒屋

居酒屋と言えば、その豊富なメニューが楽しめるのが魅力の一つ。こちらは豚肉専門と謳っているので豚肉料理が多彩にあります。

まずは豚肉の串焼き。うま~い。

この店自慢の串焼き。

この店自慢の串焼き。

こちらは定番と書かれていたリブロースの鉄板焼き。ジューシー。酒が進むね。

定番リブロースの鉄板焼き。

定番リブロースの鉄板焼き。

もちろん豚肉以外にも。長芋の浅漬けで口の中をさっぱりと。

長芋の浅漬け。

長芋の浅漬け。

こういう風に、多彩なメニューで、まるで味の遊園地のような雰囲気、それでいて肩肘張らない空間が居酒屋の特徴なんだと思います。

いろんな料理を頼むと、テーブルの上は賑やかに。雑多な中にも調和を感じさせる雰囲気。それが居酒屋。

雑多な中にも調和を感じる居酒屋料理たち。

雑多な中にも調和を感じる居酒屋料理たち。

居酒屋の鍋の特徴

さて。このまま居酒屋論を続けてしまっては「鍋、つつこ。」ではなく、「居酒屋に、行こ。」になってしまいますw

もちろんありますよ。鍋。

このお店で見つけた鍋はこちら。

豚肉入り柔らか豆腐チゲ鍋。

豚肉入り柔らか豆腐チゲ鍋。

そう、豚肉が入った豆腐チゲ。

もう一度居酒屋視点で話を進めると、居酒屋は本当に豊富で多彩なメニューがあります。そして、たいてい鍋料理(あるいは煮込み料理)があるもの。これは日本独自の店作りだからだと僕は思っていて、日本発祥であれば当然、鍋はかかせないということなんじゃないでしょうか。

とは言っても、料理する分には楽な反面、その存在感(含ボリューム)が大きいため、居酒屋のように、キャスト(メニュー)が豊富な舞台では扱いづらい存在なのかもしれません。そう、弱小球団に突然メジャーリーガーが入団してしまったように(違うか)。

何を言いたいかというと、居酒屋で出てくる鍋はもちろん本格的な鍋もあるのですが、こちらのお店のように、あらかじめ調理場で調理を終え、さらにそこにいる人数、ときには一人でも楽しめる、ほどよい分量で作られて出てくる場合も多いのが特徴の1つなのでは、と。

居酒屋で気になる鍋や煮込み料理。

居酒屋で気になる鍋や煮込み料理。

こちらではサイズ的には一人前(を少しい多めにした感じ)のチゲ鍋が登場し、それをとんすいで一人で二口ぐらいを楽しめる分量となっていました。

適量を楽しむのが居酒屋の鍋。

適量を楽しむのが居酒屋の鍋。

これは、一人で訪れても大人数で訪れても、ほかのメニューも思う存分楽しんでもらいたい、それでいて鍋のこの共有感を楽しんでもらいたいという、居酒屋という場を考えた想いが含まれているのかな、なんて考えながら、いただきました。

居酒屋という空間・場

改めて。

居酒屋って日本独自のお店、形態で本当に不思議に惹かれます。

居酒屋(いざかや)とは、酒類とそれに伴う簡単な料理を提供する飲食店である。 主に酒類を提供している点で一般のレストランと異なる。またバーやパブなどは洋風の店舗で洋酒を中心に提供しているのに対し、居酒屋は和風でビールやチューハイ、日本酒などを提供している店が多く、バーやパブに比べると料理の種類や量も多い。
Wikipediaより)

Wikipediaの定義ではこのように書かれていますが、モラスキーさんの本では、このように表現されています。

「居酒屋は味と価格だけではない、五感をもって満喫する場所である」というのが私の持論である。
さらに、「居酒屋は〈味〉よりも〈人〉である」と確信している。

僕もまさにこのように思っていて、人の存在こそが、居酒屋の魅力。これって、鍋にも通ずるところがあるのでは、と。

だから僕も引き込まれたんだろうなー(という無理矢理な展開w)

ちなみに、今回お邪魔したお店の店内は、店の特徴を表す飾り付けやメニューが貼ってあり、このような店ごとの特徴があるのも居酒屋の魅力かと。

凜々しくたたずむ豚。

凜々しくたたずむ豚。

豚料理が自慢の店らしい店内。

豚料理が自慢の店らしい店内。

独立系かチェーン店か

もう少しだけ居酒屋論を。

モラスキーさんは基本的には独立系、いわゆるその土地、その場に根付いている店こそが居酒屋の魅力であり、チェーン店の居酒屋に関してはネガティブな持論を展開されていました。僕自身、独立系の居酒屋っていうのはすごく好きで、さらにそういった店舗が集まっている街って最高だと思います。立ち呑み屋がつらなる路地を見つけた日にはテンション上がりますね。一方で、個人的にはチェーン展開している居酒屋っていうのも、その汎用性や低価格、入りやすさといった消費者的なメリットだけではなく、効率的に店を運営し、人を集めるという運営目線でも調査したい題材の一つだったりします。運営者目線としての汎用性、品質の担保、そして人を惹き付ける要素などなど。

いずれにしても、そこに集まって食事を食べ、酒を呑み、語らう。そして楽しむ。そこに笑顔あり、真面目な顔あり、ときに悲しみもあり。それが居酒屋の魅力です。

賑やかな空間を楽しめるのも居酒屋の醍醐味。

賑やかな空間を楽しめるのも居酒屋の醍醐味。

あれ?結局今回は居酒屋論になっちゃったけど、これからも居酒屋に行ったら、鍋、つつこ。

(文責・馮)

今回つついた鍋

種類: 豚肉入り柔らか豆腐チゲ鍋
店名: 豚肉専門 居酒屋 モンローの家(東京・新橋)
URL: http://r.gnavi.co.jp/gd72200/

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