[コソ鍋・佰陸拾壱]焼くの?煮るの?牛若丸も舌鼓を打った義経鍋をつつく
今日は大雪
12月もあっという間に1週間が過ぎました。本日12月7日は暦の上で「大雪」。雪が激しく降り始めるころと言われています。都内各所も朝晩はめっきり冷え込み、日中も風が冷たくなってきました。鍋日和ですね 🙂
そしてこの時期と言えば忘年会です。
今回は2015年、(すでに何度目かの)忘年会でつついてきた「義経鍋」をご紹介します。
義経鍋、ご存知ですか?
ところで。
皆さん、義経鍋ってご存知ですか?あまり耳にしない(そして目にしない)鍋じゃないでしょうか。かくいう僕も、鍋、つつこ。を始めてからたまたまテレビで見かけて気にかけて、今回初めてつついてみたんです。どんな鍋かというと……
義経鍋は、水炊きと焼き肉を一緒に楽しめる。義経が平泉に落ちのびる途中、弁慶が鴨を捕らえ、かぶとを鍋の変わりに使ったのが発祥とされる。中央部は鍋になっており、山菜などを水炊きし、ポン酢で食す。そしてそれを囲う鉄板の部分は、花弁のように広がっており、青森県では馬肉を焼いて特製のタレで頂くのが一般的。
(旅ぐるなびのサイトより)
古くは平安時代末期から伝わる、伝統的な鍋とのこと。初めてその形をテレビで観たときもとてもユニークでいつかつつきたい!と思っていました。そして、先日念願かなってつついてきたんです。
日本橋の路地にある豚肉とワインの店「豚バルBYO」
お邪魔したのは、東京・日本橋の路地裏にある隠れ家的な店「豚バルBYO」さん。
昭和の香り漂う部屋で
店構えからしてとても良い雰囲気だったんですが、店内はさらに良い雰囲気!
この日は忘年会で予約していたのでお座敷。しかもちゃぶ台があるなんて!(たぶん平成生まれの人にちゃぶ台は通じないんだろうな……)。ワインバルというオシャレな店でありながらも、こういうレトロな雰囲気があるのがとても心地良いです。
そして!念願の義経鍋。すでにセッティングされていました。
横から観るとこんな感じです。店員さんの説明曰く、こちらは義経鍋発祥の地、南部(青森と岩手にまたがる地域)で有名な南部鉄器でできているそう。
ちゃぶ台の上にはさらに懐かしのグッズが・笑
これも小さいとき、喫茶店や街の洋食屋さんで見かけたなーという一品。何て名前だろうって調べてみたところ、通称「ルーレット式おみくじ器」、正式名称は「卓上小型自動販売機」(Wikipediaより)。
しかし、よくよく観ると「呼出し」「お会計」「ご注文」「お水」のボタンが!これで店員さんとやりとりもできるスグレモノ!
もちろん、どの料理も一品一品にこだわりがあって美味い
鍋に行く前に、前置きがまだまだ続きます。
店名からもわかるように、こちらのお店は豚専門店。生ビールやハイボールのジョッキにはこだわりの豚ロゴ入り。
前菜。イベリコ豚の生ハムとチーズ。そうそう、こちらこういった料理にもぴったりなワインも美味しい店なんです。
肉だけでは栄養バランスが崩れるというもの。野菜はバーニャカウダで。
でもやっぱりガッツリ食いたい!そんなあなたにはこちらのガッツリ料理が。
店の雰囲気&前菜で十分楽しめたんですが、いよいよ主役の登場です。
義経鍋、つつこ。
来ました!義経鍋(の具材)。
豚肉専門店なので、もともとの由来である馬肉ではなく、豚肉。部位は、豚タン、豚トロ、豚バラ、豚ロースの4種類。
野菜も一式。
そして中央の兜のてっぺんには出汁スープ。
全部揃うとこんな感じです。
豚バルBYOの義経鍋の楽しみ方は4種類
ここでの義経鍋の楽しみ方は4種類。
- 兜の吹返しにあたるところで焼いて食べる(塩・ポン酢)
- 同じく焼いて、中央の出汁スープにつけて食べる
- 先に出汁スープにつけてから焼く
- 出汁スープで煮る
ちなみに、中央の出汁スープ、写真ではカレーのように観えますが、実際は香味野菜が入ったこの店独自のタレ。辛味噌風の味付けです。
というのを店員さんに教えていただき、いざ、出陣!
焼いて食べます。
6人前、かなりたっぷりのボリュームです。
最初は1つ1つを楽しみつつ、途中からは焼き焼き&グツグツ。
カレーですか?いいえ、辛味噌です。
最後はみんなで、義経鍋、つつこ。
戦のあとに、キャンプファイアー!
鍋が終わって、戦ならぬ宴も終わりか……と思いきや。
いきなり火の手が上がった!また戦か!と義経が叫びそうな炎です。
こちらは〆の一品。松坂ロースステーキ、ボルケーノフランベ。名前のとおり、火山のような器でフランベをした松坂ロース。これまた美味い!
最後はジェラートでお口直し。
ごちそうさまでした!
あっという間にときはすぎ……
気がついてみたらコースの2時間半、あっという間に過ぎました。
楽しい時間というのはすぐに過ぎてしまいますね。最後に義経鍋の感想などを。
パット見は焼肉(実際も焼肉)。そして、途中で煮込みの鍋も楽しめる、まさに一粒で二度美味しい鍋でした。こちらのお店は豚肉でしたが、馬肉はもちろん、もしかしたらホンモノの義経も食べたかもしれない、いのししや鹿といった獣肉で試しても美味しいかも。とくに一度焼くことで風味が強くなるのと、鍋の作りからもわかるように、脂分が強い肉の場合、余分な脂が受け皿に流れ込む仕掛け。なので、タンパク質を採りつつ脂は抑えられるといった効能もありそう。
焼く鍋と言えば、ジンギスカンや、僕たち鍋、つつこ。の定番鍋となっているタイのムーガタがありますが、この義経鍋もぜひレギュラー鍋に入れてみたいところ。難点は、都内でつつける店があまりないこと。……ん?であれば南部鉄器を入手すればいいのかな? 🙂
唯一気になるのは〆の一品が作りづらいところ。いわゆる煮るスタイルの鍋であれば、雑炊、うどん、ちゃんぽん麺などなど、〆の一品でさらに楽しめます。こちらの鍋は基本的に主肉・主菜で完結させるスタイル。このあたりも悩ましいですね。
いずれにしても、今回、新しい鍋をまた1つ知ることができました。
そして、とても楽しい忘年会でした!皆さん、来年もよろしくお願いいたします!
これからの忘年会シーズン、たくさん楽しく美味しく鍋、つつこ。
(文責・馮)
今回つついた鍋
種類: | 義経鍋 |
店名: | 豚バルBYO(東京・日本橋) |
URL: | http://r.gnavi.co.jp/e894500/ |
この記事は鍋 Advent Calendar 2015、7日目になります。
鍋 Advent Calendar 2015
http://www.adventar.org/calendars/751