[コソ鍋・佰弐拾陸]代官山の閑静な建物の地下で博多水炊きをつつく
海の日にまたぐ3連休、日本各地で快晴の日が続きましたね。そして、7月19日の関東甲信地方を皮切りに日本各地で梅雨明けの発表がありました。
夏本番!でも鍋はたくさんつつきます。
そんな気合を入れ、さまざまな企画を仕込む中、梅雨明けのちょっと前につついてきた水炊きをご紹介します。
水炊きは鍋の王道
以前「[コソ鍋・捌]鍋の王道とSCANDAL」で紹介したように、水炊きは鍋の王道と言える鍋。2015年7月現在でGoogle画像検索で「鍋」を調べてみると、前回同様水炊き的な写真が多数表示されます。
ということで、今もなお、水炊きは鍋の王道。初心に戻るべく、水炊きをつついてきました。
あ、そうそう、今紹介した記事でも取り上げているお気に入りバンドSCANDALの新曲『Stamp!』が明日発売!ミディアムチューンの夏らしい、ポップなナンバーです!この夏のヘビロテになりそうだ。
話を戻して。
場所は代官山。お邪魔したのは閑静な街並みの中にある商業施設の地下に店をかまえる「博多水炊き 蟻月 代官山店」さんです。
蟻月さんと言えばもつ鍋が有名ですが、実は水炊き専門店もあるのです。
それではさっそく。すでに出汁スープが入った鍋が登場です。
こちらの水炊きは、厳選した鶏肉を一度ゆで、それを鶏ガラとたっぷりの水でじっくりと炊いているのが特徴。この優しい色合いが食欲をそそります。
鍋に火をかけます。まずはスープ、そして、すでに仕込んでいた鶏肉、さらにテーブルで煮込んだつくねから。
美味い!さらにたくさんの野菜を投入。
これだけたっぷりの白菜が入るのがまたいいですね。白菜好きにはたまりません。
次に白菜の葉の部分を乗せ……
最後に香りの強い野菜を乗せ……準備完了。
あとはグツグツと煮込んで、お好みの火の通り具合でいただきます。
そうそう。そのままでも美味しい水炊きですが、ポン酢を付けて味の変化を楽しむのもまた一興。こちらのお店特製。水炊きの味を引き立てます。
最後の最後まで、本当にじっくりと楽しめる味でした。
デザートには九州つながりで、鹿児島発祥の白くまもありました。
鍋、つつこ。
水炊きの歴史は?
鍋の王道「水炊き」。その歴史はどうなっているのか、調べてみました。
と、その前に。まずはこちらの蟻月さんのお店の説明を引用させていただきます。
約百十年前に九州博多に伝わったと言われる「水炊き」。
それを伝承し、さらに極上な逸品に仕上げました。
博多では、冬に限らず「博多どんたく」のある春や「博多祇園山笠」のある夏など、一年を通して楽しまれます。
なるほど。水炊きは110年前に九州博多に伝わった料理なんですね。歴史ある鍋。
でももしかしたらもっと古くから、水炊きの原型があるんじゃないかと思って、今度はWikipediaで「水炊き」を調べてみたところ、
1643年(寛永20年)の『料理物語』第九汁の部に「南蠻料理」(なんばんりょうり)という名で、鶏の水炊きが記載されている。
と書かれていました。
こちらの情報では今から370年以上も前に日本に登場したとされています。おそらくWikipediaに載っている「水炊き」は、鶏を水で炊く(煮る)料理の総称のようで長崎の料理と記されていました。一方、蟻月さんが書かれている「水炊き」は、今回いただいたような白濁したスープで鶏を煮込んで食べる料理のことのようで、よく見てみると名称も単なる水炊きではなく「博多水炊き」となっていました。
なるほど。同じ鶏を似た鍋でも、手のかけ方、調理の仕方でいろいろなルーツと歴史があるんですね。まさに「鍋」という料理の縮図のよう。そして、こうやって東京で食べてネットで調べるだけでは物足りません!いつか九州博多に行って、まずは博多水炊きのルーツを探し出してみたい!もちろん本場で食べてみたい!
本場の味を探して、鍋、つつこ。
(文責・馮)
今回つついた鍋
種類: | 水炊き |
店名: | 博多水炊き 蟻月 代官山店(東京・代官山) |
URL: | http://www.arizuki.com/tenpo/daikanyama.php |