[鍋、ぶらり。]第弐幕:赤・赤・赤! 真っ赤に染まるズムスタで直接対決、結果はいかに?
さあ、ここからは今回の「鍋、ぶらり。」第弐幕の最大のイベント、巨人広島戦@マツダスタジアムです。
もはや鍋が関係なくなっていますが、そこは気にしない方向で。「鍋、つつこ。」で二番目の巨人ファン、大崎がお送りします(一番は馮)。
その前に。これまでの様子は以下からご覧いただけます。
- [鍋、ぶらり。]第弐幕:いざ広島! 計画と無計画のぶらりを楽しむ。
- [鍋、ぶらり。]第弐幕:羽田 to 広島。そして朝鍋、牡蠣づくし。[第拾弐鍋]
- [鍋、ぶらり。]第弐幕:広島の街を観て、食べて、歩いて、ぶらり。
広島愛に溢れる町並み
前回のレポートにもあったように、とにかく広島駅周辺(中も)はカープの赤だらけ。「広島市の90%はカープでできています」的な様相を呈しています。
そのカープ愛は、コーポレートカラーが青系のローソンをして、カープレッドに変えさせてしまうほど。
そんな完全アウェイの広島駅から、この日の決戦場「Mazda Zoom-Zoom スタジアム広島(以降ズムスタ)」に向かいます。
ズムスタへの道はシンプルで、広島駅から道なりにまっすぐ行くだけ。このシンプルさが、逆にカープファンの熱を高めていくことになるのでしょうか。赤いユニフォームが球場を目指して歩いていくさまは、さながら鯉の滝登りの様相です。
鯉が滝を登って竜になる、勝って勝って日本一になる、そういったカープファンの期待と情熱を感じます(そうなのかどうかはわからないけど、この時はそう思った)。
着いたよ! ズムスタ!
そして到着しましたズムスタに。
ズムスタは広島のシンボルの一つであった広島市民球場の後継として2009年に開場した、広島東洋カープの本拠地球場です。
球場名にはネーミングライツが適用されていて、これまた広島に拠点を置く代表的企業の一つであるマツダが命名権を取得し「Mazda Zoom-Zoom スタジアム広島」という球場名となっています。
建設にあたっては大リーグの球場をはじめ国内外の色々な球場を参考にしたそうで、そのせいか、開放的でありつつも一体感(おそらくこのあたりはファールグラウンドが狭くてグラウンドとの距離が近いためだと思います)がある、とても居心地のよい球場。
シートピッチも東京ドームに比べて広いので(東京ドームが狭すぎるというのもありますが)、そういう意味でも快適な空間でした。
ほか、障がい者や高齢者の方でも使いやすい設計を取り入れたり、バーベキューも楽しめるシートが売り出されていたりと、利用者に優しく・野球観戦を存分に楽しんでもらおうという意思を強く感じました。
こんな球場が本拠地なんて、カープファン羨ましすぎる!
カープ愛炸裂 「それ行けカープ」
試合開始前にずーっと流れているのは、カープの球団歌であり応援歌、もはや広島県民歌と言ってもいい(球場ではそれくらいの愛を感じた)んじゃないか? という「それ行けカープ」。
有名人によるメドレーがバックスクリーンに流れます。
カープ、カープ、カープひろっしま、ひーろしーまーカープー。
ほんわかした懐かしさを感じるメロディは、ついつい覚えて口ずさんでしまうほど。
事実、ビジターパフォーマンスシートの巨人ファンも、一緒に体を揺らしたり、口ずさんでいたり。この風景を見ると、広島カープという球団が、どれほど地元の人に愛されているかがわかります。
こんな歌があるなんて、カープファン羨ましすぎる!
(もちろん、巨人の球団歌も好きだけど)
そしてついに試合開始
さて、試合開始の時間が近づいてきます。
巨人・広島の直接対決はこの日まで巨人の三連勝中。この日の登板予定のエースマエケンも、対巨人は5戦0勝3敗で最近の流れとしては巨人優位。とはいえ、もし巨人がここから三タテをくらうとゲーム差なしで並んでしまう。
そんなカードの初戦がこの試合でした。
先発は両チーム18番対決。
- 広島は絶対的エースマエケン。しかしこの頃は調子を落とし気味
- 巨人は故障者の多い今年の巨人のなかで、開幕からローテーションを守り続けている杉内投手
この2人の立ち上がりが勝敗を分けるだろう、という予想の中、試合が始まりました。
[ズムスタ]18:00(試合開始)
さっそく一回表から巨人のチャンス。
ストレートが走らないマエケンがいつもの調子でないのは観客席からもわかります。しかし我らが巨人、攻めきれずに無得点に終わってしまいます。
一回裏の広島の攻撃は、杉内投手が全て内野ゴロで仕留める好調な滑り出し。が、続く二回表も制球に苦しむマエケンを捉えきれずに無得点。
あとから考えると、やはりここで取れなかったのが痛かった……
二回裏、先頭打者を三振に取って「お、今日は行けるぞ!」と思った直後、ロサリオ選手の打った瞬間それとわかるホームランが飛び出します。
実は杉内投手、得点圏被打率はセ・リーグの規定回数投球選手では阪神の岩田に次ぐ.184。両リーグあわせても三番目と低く、ピンチには比較的強い類の投手。しかし、ワンアウトランナーなしという場面でいきなりぱっかーんと行かれてしまう。これはよくないですね。
これはもう出会い頭であきらめるしかなかったのですが、このホームランのあとの田中・石原といった下位打線をきっちりおさえられなかったのが痛かった。
実はこの日、広島の三番から六番が打った安打は、ロサリオのこの特大ホームランだけ。
残り三点は一番・二番と、七番・八番で取られている、というのがこのゲームとしては非常に残念ですし、杉内投手への信頼度が今ひとつ上がらないのはこのあたりの不用意さにあるのではないかと思います。
(ちなみに杉内投手、去年からの広島戦は三連敗というデータもあり、相性の問題もありそう)
さて、その後も巨人の打線がもたもたしている間に、マエケンが本来の調子を取り戻しはじめます。
最後はミコライオできっちり締められ、零封。広島としてはこれ以上ない勝ち、巨人としてはどうしようもない負け、という結果に終わってしまいました……
ちなみにこの日のマエケン、終わってみれば8回7奪三振0失点という立派な数字ですが、見る限りはけして調子がよくありませんでした。
マエケンのイニング別投球数を調べてみると。
一回:25
二回:17
三回:15
四回:11
五回:10
六回:14
七回:13
八回:10
一,二回までで42球(21球/回)、以降八回までが73球(約12球/回)ということを考えると、先ほども書いたように最初で捉えられなかったことが全てと言えそうです。
一方で、大事な大事な三連戦の初戦を苦しみながら取った、というところにエースとしてのマエケンの責任感を感じました。
そんなこんなで、この日の勝利を疑わずに意気揚々と乗り込んだものの、結局一回もタオルを振れず(巨人は得点後にみんなでオレンジのタオルを振るんです)に消化不良のまま終わってしまいました。試合時間も2時間43分、とあっという間。残念!
こんな完璧な試合を観られたなんて、カープファン羨ましすぎる!
残念だけど次(鍋)がある!
零封負け、内容的にも巨人にとっては見せ場なしという試合でしたので、ストレス&イライラMAX! と言いたいところですが、そうはならなかったのは、やはりズムスタの場の効用や、カープファンの野球とカープが好き! という雰囲気があったからだと思います。
負けても楽しかった! ま、そして結局巨人が優勝したからいいんです 🙂
(このエントリーは巨人のセ・リーグ三連覇後に書いています)
広島ファンの喜びの姿を横目にしつつ、今回の「鍋、ぶらり。」の締めを飾るべく、鍋をつつきに行くのでした……
[ズムスタ]20:43(試合終了)
つづく。
(文責・大崎)