[鍋、ぶらり。]第壱幕:あれもそれも鍋でいいじゃないか。お好み焼きの老舗にて
こんにちは。大崎です。
前回は「鍋、ぶらり。」の出発から、お昼ごはんのお店に到着するところまでのレポートでした。今回はお昼の風景をレポートします。
そもそも「鍋、ぶらり。」ってなに? というかたは、こちらをどうぞ。
[鍋、ぶらり。]第壱幕:合羽橋をぶらり。鍋、鍋、鍋…、ときどきおたま。
昭和12年創業。風流お好み焼き 浅草 染太郎
かっぱ橋道具街の横道を入ってちょっと歩いたところにある「染太郎」さんでお昼ご飯。
公式サイトでも紹介されているとおり、歴史深く、多くの文人や芸人が通ったお店とのこと。
ちょうどきっちり12:00にお店があき、中に入ります。
そんなに歴史があるお店だと小うるさくて敷居が高いのかしら? というステレオタイプな不安も若干ありましたが、まったくそんなことはありません。ざっくばらんながらもホスピタリティ溢れる対応で、楽しくお昼の時間を過ごせました。
「染太郎」の舌代(メニュー)は、創業から戦前には銭を仙。戦後物価が跳ね上がってからは円を縁。と書いて張り出してありました。それぞれ人が山と来る。縁で人が寄り合う。という縁起をかついだ当て字ですが、 これは新しいお客さんにも古くからのお馴染みさんにも、今日一日の縁を大事にして一生懸命サービスし喜ん でもらおう。という「染太郎」の商いの基本です。
二代目は言います。「ウチはお好み焼き屋だけど味を売っているというよりは、店の空気、雰囲気を売ってるんだよな。こだわりを売ってる食べ物屋もあるけどさ、お好み焼きや鉄板焼きなんてのは味の工夫なんて言 ったってたかが知れてるしね。お客さん達がここへ何をしに来るかって言うと遊びに来るんだからね、仲間としゃべったり食べたりしにさ。鉄板でお好み焼きを焼くのだって遊びなんだから。ウチに来たらこだわりなんて捨ててさ、好きなだけ飲んで食べて、好きに楽しんで遊んでって貰いたいよね。これはさ、オフクロの頃から変わってないよ。」
出典:染太郎の歴史
このページの内容は後で読んだのですが、まさにこういった考えが体現されている暖かい空間でした。
昔ながらの空間でお好み焼きともんじゃをつつく
ということで、オーダー。ハイボールとウーロン茶といった飲み物を頼みつつ、
- お染焼
- あの味もんじゃ
- イカわたホイル蒸にゲソを追加
といったところをオーダー。
一部のメニューは作り方にコツがいるということで店員さんが作ってくれたのですが、流れるような手つきで、あっという間にできあがり。まさに熟練の技。
焼き職人と対照的だった今日のドジっ子
それと対照的だったのは、メンバー馮。
- ひっくり返してからソースを塗ってね、と説明されていたのにもかかわらず、返さず塗ってしまう。
- ラードを引いてから新しいのを焼いてね、と説明されていたのにもかかわらず引かずに焼き始める(それも2回)
- イカわたの食べ方を説明されていたのにも関わらず、別の食べ方をしようとする。
- 「もんじゃは土手を作って……」と解説しながら自身で作るも、見事に土手決壊。
- 極めつけはハイボールを床にこぼす。
いつものテキパキっぷりはどこへやら、この日はやたらめったらドジっ子です(本人談:酔ってないですから)。
ちなみにホスピタリティ溢れる店員さんは、そんなドジっ子にも「大丈夫ですよー。もう塗ってしまいましたし、お好きな食べ方でー」などと、優しく対応してくれました。ありがとうございました。
さて、鍋ですよ。鍋。
ここからいつものこじつけタイム。
このお好み焼きともんじゃ焼き、もちろんそれぞれ料理の一つのジャンルとして確立されています。
お好み焼きはお好み焼きというジャンル、もんじゃ焼きはもんじゃ焼きというジャンル。それに嫌疑をとなえる人はいないと思います。ぼく自身もそう思います。
が、「鍋、つつこ。」の鍋の定義では、これも鍋と言っても良いのでは、という議論がお好み焼きの老舗で堂々と交わされました。
拠り所は[第壱鍋]鍋とは共産主義の一種の発現であるや[コソ鍋・弐]ジンギスカンは鍋なのかで触れているような
- 食卓の中心に調理具がある。
- 全員分の具材をそこで調理する
- みんなで取り分ける
というような考え方(この記事も含めて各記事間で定義の平仄が取れていない部分もありますが、そこはまだ僕たち自身が研究中ということでご容赦を。大筋はずれていないと思います)。
そう。お好み焼きももんじゃ焼きも、解釈を拡げると鍋と言えなくもない!
かくして「鍋、ぶらり。」のお昼ご飯タイムは楽しく過ぎて行きました。
染太郎さん、美味しい食事と暖かい場の提供、ありがとうございました。
次回はいよいよ「鍋、ぶらり。」第壱幕のメイン、かっぱ橋道具街編です。お楽しみに!
(文責・大崎)
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[…] 部鍋なんです。いいんです(このブログでは)。ちなみに「[鍋、ぶらり。]第壱幕:あれもそれも鍋でいいじゃないか。お好み焼きの老舗にて」ではお好み焼きを鍋にしちゃってます。 […]
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