[コソ鍋・弐佰陸拾玖]なべこわしの異名をもつ魚。カジカ汁を作ってみた。


この記事は、鍋 Advent Calendar(ナベント)2020、21日目の記事です。

Advent Calendar 2020
https://adventar.org/calendars/5286

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先日の記事では、鍋のバーベキューのようすをお知らせしました。コロナの状況がますます厳しくなるなか、せめてもの自宅での楽しみをと思い、今回も鍋Qスタイルで鍋をつついてみました。

まずはスーパーへ買い出し

まずは近場のスーパーへ買い出しに行きます。

外食業界が振るわないせいで生鮮食材は個人向けに安く流れているというような噂を最近よく聞きますが、いろんな食材がわりとお得な値段で並んでいることが多いような気がします。

加熱用カキ。鍋にすると美味しい。
加熱用カキ。鍋にすると美味しい。
スケソウダラの白子はよく出るけど、マダラの白子はスーパーではあまり見たことがない。
スケソウダラの白子はよく出るけど、マダラの白子はスーパーではあまり見たことがない。
魚も色々。そして今回気になったのは右上の「カジカ」
魚も色々。そして今回気になったのは右上の「カジカ」。

いろいろな食材が並ぶなか、どうしても目が行くのは豊田屋風の鍋に欠かせない「カキ」や「白子」。しかし今回はそれを買うのはこらえて、関東ではあまり見ることのない「カジカ」を買いました。

カジカ(鰍、杜父魚、鮖、Cottus pollux)は、スズキ目カジカ科に属する魚[1]。日本固有種で、北海道南部以南の日本各地に分布する。地方によっては、他のハゼ科の魚とともにゴリ、ドンコと呼ばれることもある[2]。体色は淡褐色から暗褐色まで、地域変異に富んでいる。

カジカ (魚) – Wikipedia(https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%AB%E3%82%B8%E3%82%AB_(%E9%AD%9A)
日本固有種のカジカ。ぶつ切りで。
日本固有種のカジカ。ぶつ切りで。

こんな感じでブツ切りになって売られていました。見た目はちょっとグロテスク。が、このカジカを鍋にすると絶品という記事をメンバー馮が書いていたのを思いだし、こちらをチョイスしました。

「なべこわし」の異名をもつ、カジカ汁。

そんなカジカですが、北のほうでは「なべこわし」という名前のほうが有名だそう。

東北以北で水揚げがある。北の海にカジカ科の魚は多種あるが、もっとも大きくなる。

「なべこわし」という方が有名。この呼び名は汁にしてあまりにもうまいので、「鍋の底に残った一滴の汁も余さないようにすくい取ろうとして鍋を壊すほどだ」という意味。

北海道ではもっとも代表的なカジカで流通する量も多く、寒い時期、産卵期には「かじか汁(みそ汁)」に、鍋物にと大活躍する。

トゲカジカ (ナベコワシ) | 市場魚貝類図鑑(https://www.zukan-bouz.com/syu/%E3%83%88%E3%82%B2%E3%82%AB%E3%82%B8%E3%82%AB)

もうこんな説明をされたら、試すしかないですよね。

さっそく作ってみる

材料を調べてみると、具材的には大根・人参・ジャガイモ・葱あたりが定番なようす。豚汁っぽい田舎汁って感じでいいですね。

まずはセッティング。
まずはセッティング。
野菜は大根、ジャガイモ、人参、葱で。
野菜は大根、ジャガイモ、人参、葱で。
根菜はいちょう切りに。カジカは洗ってぬめりを落としました。
根菜はいちょう切りに。カジカは洗ってぬめりを落としました。
こちらは鍋のおとも。
こちらは鍋のおとも。ホルモンはつまみ。
まずは大根と人参を火にかけます。
まずは大根と人参を火にかけます。
続いてジャガイモを投入。煮崩れが嫌いな人はタイミングを遅めに。
続いてジャガイモを投入。煮崩れが嫌いな人はタイミングを遅めに。
そしてカジカも投入。キモや胃袋も一緒に。
そしてカジカも投入。キモや胃袋も一緒に。
しばし火を通していきます。
しばし火を通していきます。
良きタイミングで味噌を投入。
良きタイミングで味噌を投入。
フタをしてしばし待ちます。
フタをしてしばし待ちます。

「なべこわし」の実力やいかに?

さて、こんな感じでしばし待ったあとに、フタを開けてみます

良い感じ! 葱は最後に散らしました。
良い感じ! 葱は最後に散らしました。
お椀に取り分け。カジカのアラも入れて。
お椀に取り分け。カジカのアラも入れて。

このカジカ汁を味わうのは初めて。本場でもつついたことがないですし、どこかのお店で頼んだこともなく。

なので、これが本来の味か? と言われるとわからないのですが、それはそれとして、美味しい!! なにかに例えるとしたら鮟鱇のどぶ汁でしょうか。濃厚な磯の味と溶け出した肝のクリーミーな感じが最高です。特にこの日は冷え込んでいたので、体全体に染み渡るような感じがしました。日本酒用意しておけばよかったな。

冬の寒い日にこんな鍋があったらそれは取り合いになると思います。事実、うちの食卓でもあっという間になくなってしまいました。

ちなみに今日の材料費はおよそ以下。

  • カジカ(およそ600円)
  • 大根半分(50円くらいの換算?)
  • 人参1本(これも50円くらい?)
  • 葱1本(同じく50円とする)
  • ジャガイモ5-6個(200円くらい)

味噌は自宅にあるものを使ったので、新たに買ったものでいうと1,000円足らず。これでこの満足感は素晴らしいです。お店にカジカが出ている期間はそれほど長くなさそうなので、また買って「なべこわし」を堪能してみたいと思います。

ちなみに鍋は鉄製なので、壊れることはありませんでした(笑)

レアなカジカで、鍋をこわさないように、鍋、つつこ。

(文責・大崎)

今回つついた鍋

種類:カジカ汁
店名:自宅(埼玉)
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