[コソ鍋・弐佰四拾陸]都会の喧噪を離れて。オフィス街の片隅の食堂でモロッコの郷土料理タジン鍋をつつく
忙しそうなお客さんが次々と入っては出ていき、お店のスタッフの威勢のよい声が響く。
食事を楽しむというよりは、活動するためのエネルギーを短期間で補給して仕事へ向かう、そんなちょっとした戦場のようなお店が都内には多いですよね。
もちろんそんな雰囲気とは無縁な、ゆったりした時間の流れるお店もあります。
今回ランチで行ったお店はそちらのタイプ。
大小さまざまなオフィスビルが所狭しと建ち並ぶ東京小伝馬町の一角に、まるでここは日本じゃないみたいな錯覚を覚えさせる「ダリア食堂」さんがありました。

オフィス街の通りの角に。ここだけ切り取ると外国の風景のよう
異国の雰囲気を醸し出すインテリア
ダリア食堂を開いているのは雑貨屋ダリアさん。
::::DALIA・ダリア 日本橋・大伝馬町・きまぐれ雑貨::::
世界の日用雑貨達、日本橋大伝馬町にきまぐれ雑貨屋ダリアはあります。
モロッコ、ロシア、イランといった地域の雑貨を扱っているためか、店内は異国情緒たっぷり。
店内に流れる音楽も緩やかで、外がオフィス街であることを忘れさせてくれます。

お店の奥から外を眺める。外はオフィスビルとは思えない

左を見ても……

右を見ても。棚に所狭しと並ぶ

地味に気になったのがこの山羊汁。今度探してみよう

テーブルも木製で暖かみがある

奥にはロフト席にあがる階段が
ランチの目当てはモロッコの郷土料理、タジン鍋。
モロッコの家庭から教えてもらった
素朴で豪快で温かいお料理、
ゆったりとした心地よい時間の流れ
そんなモロッコの魅力を日本橋の片隅から。出典:ダリア食堂
こんな言葉に誘われて訪れたこの食堂。もちろんオーダーするのはタジン鍋。
このタジン鍋、日本でも数年前に流行った記憶があります。
比較的浅めの鍋に三角帽子のような特徴的なフタを持つ鍋で、無水鍋のような調理ができるという鍋だったはず……
食材から上がる水蒸気や、食材やハーブなどに含まれる揮発性の香りの成分が、冷たい蓋の上部で冷やされて結露し、再び水滴となって食材のもとへ戻るようになっている。これによって蓋と鍋の隙間にウォーターシールが形成されて密閉状態となり、料理の香りが飛ぶのを防いで風味を逃さない蒸し焼きに最適の条件が得られる。
出典:Wikipedia
そうそう、こんなかんじ。
とはいえ、タジン鍋を専門に出す店にお目にかかることはなかったのですが、ひょんなことからこのダリア食堂さんを見つけ、初めてちゃんとしたタジン鍋を食べられる機会を得ることができました。
ちなみにこちらのお店で出してくれるのはモロッコのタジン鍋。
Wikipediaを見ると、タジン鍋は北アフリカ地域の鍋料理でその中でもいくつかに分化しているようですが、モロッコのタジン鍋は以下のようなものだそうです。
モロッコのタジンは、香りをつけたジャガイモやニンジン、玉ねぎなどの野菜とソースを鳥肉や羊肉と一緒に低温でゆっくりと蒸し煮にして作る。この作り方は伝統的な作り方で、タジンの正統的な作り方として認知されている。ポットのカバーは、取り外しを容易にする為に先端にノブのようなハンドルをつけている。煮込んでいる途中でもカバーを開けて野菜を追加できるのが特徴。
出典:Wikipedia
今回オーダーしたのは、ランチメニューにある
- 季節の魚のタジン
- トリとレモンのタジン
- マトンケフタのタジン
- ビーフといちじくとクルミのタジン
この4つのなかで、トリとレモンのタジンを選択。

手書きでこれまた暖かみのあるランチメニュー
トリを塩レモンで煮込み、じゃがいものフリットがたくさんのったタジンです。
とあります。
さてどんなものが出てくるのかなー。

まず始めに出てきたのはガスパチョ。サッパリおいしい。

登場したトリとレモンのタジン鍋
ぱっと見はフライドポテト……みたいですが、違います。

ちょっと角度を変えて
山盛りのじゃがいものフリットをかき分けるとそこには柔らかく火が通ったトリがゴロッと。

じゃがいものフリットをかき分けると大ぶりの鶏肉。写真撮るまえにひとかたまり食べてしまったけど
テーブルにはナイフも用意されていましたが、フォークとスプーンで十分なくらい柔らかく、とても食べやすかったです。味もしっかり染みていましたよ。

ホロリとほぐれる柔らかいお肉

レモンの酸味と鶏肉がとても合う
見た目アプラっぽい感じもしますが、レモンの酸味とハーブ(?)の香りが良い感じで、サッパリといただけます。
黄色いミニトマトと勘違いして食べてしまい写真がとれなかったのですが、日本ではあまり見たことがない丸い小さなレモンも一緒に煮込まれており、素朴なながらもとても味わい深いです。オリーブもいいアクセント。

オリーブ好きには嬉しい。オリーブの実もふんだんに入っている
オマケについているのは「ホブス」というらしい、モロッコ風のパン。

まん丸で平たい、かわいらしいパン

ちぎってつけて、いただきます
スープにつけながらいただき、ペロッと完食。

完食! 満足!
これで1,000円ピッタリは、場の雰囲気も考慮するととてもコストパフォーマンスがよいと感じました。
Myタジン鍋が欲しい!
さて、美味しくいただくと、自分でも作ってみたくなるのが鍋、つつこ。メンバーの性。

棚にも飾ってあるタジン鍋。ああいうのが欲しい!
そう思ってタジン鍋を探してみると、ホーロー製のものは安く色々あるのですが、肝心な素焼きのものがない!

タジン鍋の取り扱いはあれど、欲しいのはこういうのじゃない
鍋、つつこ。で頻繁に取り上げているタイのローカル鍋「チムチュム」と同じように、雰囲気を味わうために素焼きの鍋が欲しかったのですが、まずは手に入る範囲で買うしかなさそうでちょっと残念。

欲しいのはチムチュムに使う鍋のような、素焼きのやつ
無事入手して自宅でタジン鍋を作れたら、改めてこちらで紹介したいと思います。
世界中の郷土鍋を求めて、鍋、つつこ。
(文責・大崎)
今回つついた鍋
種類: | タジン鍋 |
店名: | ダリア食堂(東京・大伝馬町) |
URL: | https://tabelog.com/tokyo/A1302/A130204/13092017/ |