[コソ鍋・佰漆拾]炙り天然九絵の美味出汁くぐりを賞翫~温泉宿の食事の美味さに迫る


日本で3番目に大きい県、福島

先日41歳の誕生日を迎えた馮です。こんにちは。

今回は誕生日を記念して訪れた福島県・飯坂温泉の宿でつついた鍋のご紹介。

ちなみに、福島県ってどんな県がご存知ですか?広さは日本の都道府県で3番目に大きい県(北海道、岩手県に継ぐ)です。最近では東日本大震災による被害などでも注目集めるなど、これからの復興に向けた動きに取り組んでいる場所でもあります。夏には日本最大のわらじを使った勇猛果敢な祭り「福島わらじまつり」が開催されることでも有名ですね。

JR福島駅にはその大わらじが展示されています。

福島駅にて。 福島わらじまつりの大わらじ。

福島駅にて。
福島わらじまつりの大わらじ。

さてさて。福島県から福島交通・飯坂電車に乗ること約20分。そこには、鳴子・秋保とともに奥州3名湯に数えられ、別名「鯖湖の湯」として知られる飯坂温泉があります。特徴なのはその豊富な湯量。2世紀頃には日本武尊が東征の折に、1689年には俳聖 松尾芭蕉が奥の細道の途中に立ち寄ったとされる歴史ある温泉地です。

この日はここでゆったりと過ごしました。

宿についてから街を散策。

飯坂温泉の名所の1つ「旧堀切邸」。

飯坂温泉の名所の1つ「旧堀切邸」。

ここは飯坂温泉駅から徒歩数分にある「旧堀切邸」です。

旧堀切邸は、江戸時代から続いていた豪農・豪商の旧家を補修、復原、一部新築により整備し、飯坂温泉の観光交流拠点として平成22年5月に開館しました。(飯坂温泉オフィシャルサイトより)

こういう場所を観ることで、日本の歴史、成り立ちというのを知ることができますね。日本の文化の奥深さを垣間見ることができました。

隠れ家的な場所にあり、料理にもこだわる宿「御宿かわせみ」

そして、この日の宿泊はこちらの「御宿かわせみ」さん。

飯坂温泉の隠れ家「御宿かわせみ」。

飯坂温泉の隠れ家「御宿かわせみ」。

飯坂温泉駅から温泉街とは逆の方向にある、隠れ家的な宿。

温泉宿のこだわりの懐石料理

この宿の特徴は温泉ともう1つ。そう、料理長がこだわる、日本料理の数々。

サイトにも

五感全てでご賞翫いただきたい御宿かわせみ最大の魅力。
それが「料理」です。

と書かれてあるとおり、食へのこだわりがあり、各方面から非常に高い評価を頂いているのです。いやー、楽しみだ!

……と、このまますべての料理を紹介するのは割愛して(ぜひ足を運んでください!)、まずはまとめ写真にて。最近流行りのInstagram風に 🙂

かわせみ流日本料理の献立。

かわせみ流日本料理の献立。

天然クエを、こだわりの出汁にくぐらせる絶品鍋

かなり前置きが長くなりました。

こちらの料理、一品一品が本当に素晴らしく、そして、すべてが適量。多すぎず少なすぎず、量も味の決め手というのを体感させてくれるものばかり。

そして、今の季節、料理長がこだわったのがこちら「炙り天然九絵の美味出汁くぐり」です。

御品書。「炙り天然九絵の美味出汁くぐり」。

御品書。「炙り天然九絵の美味出汁くぐり」。

用意された御品書を観たとき、「九絵ってなんだ?」と頭の中で思いつつ、「きゅうえ、くえ、……、クエか!」とようやくクエであることがわかりました。クエといえばスズキ目ハタ科の海水魚。とくに西日本で好まれる高級魚で、「クエ食ったら他の魚食えん」と言われるほどの美味しい味です。そのクエを炙って、さらに出汁にくぐらせるなんて。どんな味なのかワクワクしますね!

こちらが本日の鍋。

こちらが本日の鍋。

まずはこちらが鍋。葉の形をした器に、クエの骨と出汁で取ったスープ。

天然クエで取った出汁スープ。

天然クエで取った出汁スープ。

具材はクエの身。そして、水菜と葱。

プリプリの身をした天然クエ。

プリプリの身をした天然クエ。

味付けはポン酢。さらにたっぷりの葱おろし。

つけダレはポン酢に葱おろし。

つけダレはポン酢に葱おろし。

実食

いよいよ実食。

まずは野菜を入れつつ、クエをさっとくぐらせてみます。

美味出汁くぐり。

美味出汁くぐり。

美味い!

次は少し火を通す時間を多めにしてみました。

野菜を入れ、今度は少しクエの身を出汁に泳がす。

野菜を入れ、今度は少しクエの身を出汁に泳がす。

ポン酢につけてみると……これまた美味い!

ポン酢でいただきます。

ポン酢でいただきます。

クエの濃厚な味とポン酢の存在感のあるさっぱり味とのバランスが絶妙。

さらに味の変化を楽しむべく、カボスを絞って。

カボスを絞って。

カボスを絞って。

爽やかに美味いですね~。最高!

葱ポン酢と野菜。 口の中が爽やかに。

葱ポン酢と野菜。
口の中が爽やかに。

野菜も合間合間にいただいて、次のクエを楽しむ準備。

いよいよ後半。最後は出汁に取っていた骨の周りの肉をしっかりといただきます。この、骨ぎしの身がまた何とも。

出汁に使ったクエの骨。この周りの身も美味しいんです。

出汁に使ったクエの骨。この周りの身も美味しいんです。

最後に残しておいた一切れをいただきます!

最後の一切れは出汁にさっとくぐらせていただく。

最後の一切れは出汁にさっとくぐらせていただく。

ごちそうさまでした

ごちそうさまでした

出汁は最後までいただく

ごちそうさまでした!……ではありません。

いわゆる鍋ですと、ここで〆の雑炊やうどんとなるわけですが、この日は懐石料理。鍋がメインではなく、鍋も本日の舞台俳優の一人。ですから、ここに〆があるわけでありません。代わりに、この余ったスープが鍋の部のエンディングを飾ってくれるのです。

あらかじめ準備してあったコチラの湯のみ。刻んだアサツキが振ってあります。

〆は残った出汁スープを。 アサツキを薬味に、塩はお好みで。

〆は残った出汁スープを。
アサツキを薬味に、塩はお好みで。

ここに残ったスープを入れ、塩でお好みの味付をして。

すべてすくって。

すべてすくって。

このすべての味が表現されたスープが、「炙り天然九絵の美味出汁くぐり」の締め括り。

落ち着く味。

落ち着く味。

十分に出汁が取れたスープをいただいて、会席料理の中の「鍋の部」が終了。これで感触です。こちらの料理長が掲げている「五感全てでご賞翫いただく」というコンセプトを、この舌で体験できました。

賞翫の意味

ちなみに「賞翫」という言葉の意味、ご存知ですか? 「賞翫」とは「物の味をほめて味わうこと」。僕は今回調べて初めて知りました 🙂

この後、最後の料理まで、心の底からほめて味わう、まさに「賞翫」することができ、堪能することができました。

今年も日本各地を訪れます

以上、普段とは違う、誕生日記念の鍋をご紹介いたしました。

温泉宿に泊まっていただく料理って、非日常感があって、ワクワクしますね。特別感というか。そして、今回の御宿かわせみさんの懐石料理が素晴らしい!と思ったのが、まずは何と言っても1つ1つの味へのこだわり。料理の御品書きは季節によって変わるそう。今回はこの1月という季節に合わせて、料理長自らが日本各地で取り揃え、献立として完成させたものです。プロの技、目利きですね。

そして、もう1つの素晴らしい点、それは一品一品の分量です。旅館でいただく料理の場合、得てしてちょっと多めだったりして、全部食べきれないことがあります。しかし、今回の料理はどれも適量。しかも、多すぎないことはもちろん、「美味しいからもうちょっと!」という少なさをほとんど感じませんでした。まさに、最も美味しい分量までも推し量らって、そして、料理全体のストーリーを創っているんだなー、と思いました。改めましてごちそうさまでした。

最後にもう1つ。実は、鍋、つつこ。として初の福島訪問でした。こうして鍋、つつこ。の白地図がまた1つ埋まったわけです。

温泉宿の板長のこだわりの一品。どの料理も美味しく、その中でも絶品の鍋でした。料理人のアイデアと工夫、そして、素材と技。本当にすばらしいですね。とても充実した誕生日となりました。

今年も日本各地を訪れながら、賞翫できる味を求めて、鍋、つつこ。

(文責・馮)

今回つついた鍋

種類: 炙り天然九絵の美味出汁くぐり
店名: 御宿かわせみ(福島・飯坂温泉)
URL: http://www.hisuinosato.com/

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