[コソ鍋・佰参拾弐]日本の食の本場・京都で出会った絶品鍋~出汁しゃぶに舌鼓を打つ
京都の台所、錦の近くで体験できる「おもてなし」
京都に来ました。
京都と言えば日本の食の本場です。ですから、鍋、つつこ。として初めて訪れてどんな鍋に出会えるのか行く前からワクワクしていました。
しかし!今回は一人で行動していたので一人で楽しめるお店を探索したのですが、なかなか見つからず。というのも、説明するまでもなく、鍋という形そのものが昼食よりは夕食、そして、複数人で楽しむ料理であるため、「昼食」かつ「一人」を満たして、さらに「これだ!」と思う店がなかなかみつからなかったのです。
そんな中、京都の台所である錦市場近くに見つけたのが今回お邪魔した「瓢斗」さん。場所は、京都の台所、錦市場近くにあります。
こちらのお店が最も大切していることが「おもてなし」。お客様に満足してもらうことを第一に、ここでしか味わえない絶品の「出汁しゃぶ」、細かなところまで行き届いた快適な接客、洗練された和空間が用意されています。こうやって文字に起こすとかなり誇張したように伝わるかもしれませんが(笑)、実際に足を運んでみて、とても素敵な店内、何より、店員の皆さんの対応がすばらしかった。個人的に良いなと思ったのは、一人ふらっと、ラフな格好でお邪魔したにもかかわらず、とても居心地の良い時間を過ごせました。
あとはメインの「出汁しゃぶ」がどんな味なのか、さっそくご紹介します。
日本料理の技「出汁」を活かした絶品出汁しゃぶ
まずは鍋の登場。テーブルに届いたときにおもわず「おっ」と思わせてくれる紙鍋でした。元々、金属の鍋だったそうですが、今は紙鍋を使うことで、灰汁を紙にすわせたり、見た目の涼しさを表現しているそう。
そしてこちらがメインの豚。鹿児島桜島産の「美湯豚」です。色味が鮮やかですね~。
そしてたっぷりのほうれん草。しゃぶしゃぶでほうれん草というのはちょっと以外でした。それからたっぷりの葛も。このあたりは和の雰囲気を醸し出していますね。
絶品の「出汁」
そして、こちら。これが今回の主役「出汁」です。
鍋の出汁というと、鍋に入れて煮込む側で使うものなのですが、瓢斗さんの出汁しゃぶでは、しゃぶしゃぶした具材に絡めて使う、味の主役となっているのです。2004年から始まったこの出汁しゃぶ、京料理には欠かせない味の基本である出汁を、厳選された豚や旬の野菜に絡ませて食べることで、日本料理・京都の料理人の技を最大限に活かして「お客様により美味しいものを提供したい」という思いから生まれたそう(公式サイトから)。
さらにこちらも大事な味の決め手。たっぷりの白ネギ。これを出汁に入れます。
こういう感じで本当にたっぷりと。
アクセントに京都の柚子胡椒も用意されています。
どんな味になるのか、楽しみです。ではさっそく実食。
出汁の味は濃厚で、一口の分量が最適なのでどんどん食べられる出汁しゃぶ
一人前はこのぐらい。紙鍋と美湯豚、野菜の色のコントラストがいいですね~
まずは野菜を煮込みます。こうすることで野菜の旨味が染み出してきます。
続いて、美湯豚。
しゃぶしゃぶとして火を通します。
さぁ、さっそく。楽しみ。
うん、美味い。豚の味がしっかりと、そして、薄く切っているので強すぎず、そこに出汁の風味が絡まって、今まで食べてきたしゃぶしゃぶと全然違う!ポン酢やごまダレでももちろん美味しかったのですが、今回出汁しゃぶを食べて思ったのが、今までのつけダレは主張が強すぎるということ。この出汁しゃぶ、出汁の味わいに具材の味がバランス良く絡まり、さらに白ネギの食感が心地良いです。ネギ自体も味が強くなりがちなのですが、あらかじめ出汁になじませておくことで、その存在感がほどよく薄まっていました。
続いて柚子胡椒も付けてみて。こちらはかなりピリッと辛いです。味の変化を楽しむのにちょうど良いですね。
野菜にも出汁を付けます。こういう鍋の食べ方、初めてでしたがクセになりそう。
完食。
〆は京都の生蕎麦をしゃぶしゃぶ鍋の中でじっくりと煮込む
これで終わりではなく、もちろん〆があります。
出汁しゃぶの〆は京都の生蕎麦を、しゃぶしゃぶ鍋で茹でていただくというもの。
少し色が濁っているのは野菜と肉の味が染み込んでいる証拠。こちらの蕎麦、東京でいただくものよりも少し太めに切ってあるのが特徴です。
茹で上がったら、当然、出汁につけていただきます。いいね~。この味の蕎麦も食べたいw
〆のあとに口直しのデザート。柚子ゼリー。さわやか。
ごちそうさまでした。
出汁と薬味の効能、そして改めてしゃぶしゃぶは夏鍋と感じる
過去の記事でも紹介したとおり、しゃぶしゃぶは暑い夏に肉を食べやすくすることを目的に生まれた料理。そのしゃぶしゃぶをさらに工夫して、改良して生まれた出汁しゃぶ。この日の京都は最高気温37度でしたが、そんな中でもまったく暑さを感じさせず、さっぱりとするすると食べられました。
まさに京都の日本料理の技とおもてなしが込められた一品でした。
料理というのは素材がとても大切ですし、素材を活かすのはあたりまえなのかもしれません。しかし、その素材をさらに美味しくする工夫、料理人の方たちの技、こだわりというのもとても大事だというのを思い知らされた一品でした。出会えて良かった鍋です。
日本料理の技と味を求めて、鍋、つつこ。
(文責・馮)
今回つついた鍋
種類: | 出汁しゃぶ |
店名: | 瓢斗(京都・四条) |
URL: | http://www.hyoto.jp/ |