[鍋考・壱]ままごとと鍋を考える
こんにちは、大崎です。
ある日の朝、メンバー日菜子が興味深いアイテムを発見しました。
その名も「木製ままごと鍋セット」。
木のおもちゃ・知育玩具、子供家具の通販をあつかうSOOPSORI (すぷそり) JAPAN の商品です。
- フタ付き片手鍋
- フタ付き両手鍋
- お釜
- おたま
- フライ返し
- スプーン
- お茶碗
といったラインナップ(残念ながら土鍋フォルムのものは無いようですが)で、片手鍋だけ取っ手を留める箇所にボルトを使っているものの、他は無着色の天然木のみを使用したという丁寧なつくり。
天然木のミニチュア鍋というデザインの可愛らしさに最初は目を奪われましたが、実は「ままごと」と「鍋」はある点において、とても密接な関わりがあるのでは? と気づきました。
幼児期において重要な「ままごと」と「鍋」の類似性
ままごと(飯事)は、主に幼児が家庭の食事や煮炊きを真似る、いわゆるごっこ遊びに類するものです。
一般的には2-3歳ごろからままごと遊びに興味を持ちはじめるとされ、それまでの人形やオモチャなどを使っての一人遊びから他者との関わりが必要なものに変容するという点で、男児・女児関わらず幼児の発達段階的に非常に重要な遊びであり、刺激です。
お友達や親兄弟などの身近な人を、それぞれお母さんやお父さん・お姉さんやお兄さん・赤ちゃんなどの仮想家族に見立てて遊ぶ行為は、それまでの一人遊びで培った想像力を発揮とするとともに、人間関係や社会性といった心の成長や発達に寄与するとされています。
相手の期待と自己の期待との対立を解消して協調する。時には我慢したり、時には主張を押し通したり。
ままごと遊びは大人社会の縮図であり、幼児期のコミュニケーションの訓練の場として非常に重要な役割を果たすことになります。
一方で道具に目を向けると、ままごと遊び用には今回のエントリーのきっかけとなった冒頭の商品のような色々なおもちゃが作られていますが、子どもたちは道具がなければないで、身の回りにあるいろいろな物で代用したり、見立てをしたりして遊びを広げていきます。必然的に、ままごと遊びは子どもたちの想像の世界へと広がり、子どもならではの世界を作り出すことになります。
さて、鍋です。
「鍋、つつこ。」では、鍋を人と人とのコミュニケーションにおける触媒として捉えています。
また同時に、一部の料理のような、ある種の様式美を追求するようなものではなく、基本は踏襲しつつも、個々人の好みで具材や味付けで自由に変化させ、それを楽しむことができる料理であると考えています。
このコミュニケーションと変化に対する柔軟性の二点において、「ままごと」と「鍋」はとても似ていると思いませんか?
ままごとと鍋が冒頭の木製ままごとセットとして融合していた(商品開発時にそういう考えがあったかどうかは別として)ところに不思議な縁を感じました。
ちなみに、本物の木製食器と比べても遜色のないこのままごとセット。
とあるレビューによると、本物の食べ物は入れないほうがよいとのこと。ちょっと残念ですが仕方ないですね。
それでは。
ままごと遊びで子どもも一緒に、鍋、つつこ。
(文責・大崎)