[コソ鍋・伍拾捌]バンコクで日本のカタチのもつ鍋をつつく
最近鍋ヅイています。鍋をテーマにした「鍋、つつこ。」を運営しているので当然といえば当然ですが、記事化が追いつかないぐらい鍋ヅイている大崎です。
鍋と夏は相容れないものと思われがちですが、菌活鍋や氷鍋、その他夏に食べる鍋が最近は注目を浴びています。そんななかこんなニュースも。ついに鍋の時代が来た!?
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という前置きはさておき、今回はエカマイ駅を出てすぐにあるGATEWAYにある「なぎ屋」さんへ行ってきました。
先日ご紹介した、同じGATEWAYにあるひな屋さんもそうですが、こちらも写真だけみるとここが外国とは思えないほどの日本っぷり。元気ないらっしゃいませの声を受けながら、早速中に入ってみます。
80-90年代とおぼしき懐かしのメロディーが流れるなか、客はタイ人・観光客らしき西洋人・おそらく近所の駐在員の家族と思われる日本人と多種多様。場は完全に日本なのにも関わらずこのごちゃまぜな感じが国際都市バンコクらしいところだなと思います。
しばらく店内を落ち着き無くキョロキョロと見回したあとに、早速メニューを見てオーダーします。
侮れない脇役たち
なぎ屋さんは日本でも多数店舗を展開している焼きとん・焼鳥が有名なお店(すみません、日本の店舗は行ったことがなくて、実はここがなぎ屋デビューでした)。といいつつもこの日は刺身・鍋と、結果的には主役を外したオーダーとなってしまいました。
が。。。
刺身、焼き物といった脇役達もとてもいい仕事をしています。今日の目的の鍋が登場するまでの時間をしっかりと埋めてくれました。
今日の真打ち登場。○○なカタチの鍋
そして現れたのはびっくりな盛りつけのもつ鍋。
ニラが高くそびえ立ち、てっぺんには香味が。
美しくも豪快なこの盛りつけ、一瞬にして日本を象徴するあるものを想起させます。みなさんももうおわかりですよね。
そう、日本と言えば富士山。この日本の象徴とも言える山の姿にそっくりです。
こんな鍋を崩すのはもったいない。が、鍋をつつく為には崩さなければ。でもどうやって? という心配もつかの間、店員さんが良い具合に調理をしてくれました。
一瞬の迷いもなく、綺麗に山が平らになっていきます。昔なにかで見た組み体操のよう。味だけでなく、目でも楽しめる。なかなかやってくれます。
平らになったところを改めて見ると、らせん状になっています。なるほど、上手く倒れるように盛りつけの段階で多少の捻りを入れていたのがこの時点でわかります。さしずめ計算された美、というところ。
ここからはもう(見た目は)普通の鍋。食べ頃になるまでしばし待ちます。
この日に頼んだのは「魚介系醬油もつ鍋」。醬油の香ばしさ、和を強く感じる味です。主役のもつはプリプリしていて、準主役の軟骨入りつくねはコリコリ。もやし、にら、ネギ、ゴボウなどの野菜類もスープの味を吸いこんでとても美味しい!
ハフハフいいながらつついた鍋は、あっという間になくなってしまいました。美味しかった!
〆にはハニートースト。甘い物は苦手なのですが、外はぱりっと、中はもっちりと焼けたトーストは意外にくどくなく、美味しくいただけました。いや、しかし太るね。これは。
ふるさとは遠きにありて思ふもの
「ふるさとは遠きにありて思ふもの」とは、かの室生犀星の詩。
ふるさとを遠く離れて望郷の念に駆られる心を詠んだ(解釈はいくつかあるようですが、郷に思いを馳せる点では同じですね)詩ですが、この富士山のカタチをしたもつ鍋も、海外で出会ったからこそそういう風に思ったのかもしれません。
冒頭に書いたように、ぼくは今回が初「なぎ屋」。もし、日本でこの鍋に出会ったとしても「おお、派手な盛りつけの鍋だな!」ぐらいにしか感じなかったのではないでしょうか。
日本を離れたからこそ感じる日本の姿。
せっかく外国にいるんだから土地のものも食べなきゃという声もありつつも(もちろん食べてますよ。タイ料理は全般好きな方なので)敢えて日本の鍋を攻めてしまうのは、やはりそういった日本人の心が為す行動なのかもしれません。
これからも日本を想いながら、鍋、つつこ。
(文責・大崎)
今回つついた鍋
種類: | もつ鍋 |
店名: | なぎ屋(エカマイ・ゲートウェイ) |
URL: | http://www.nagiya.com |