[鍋考・弐拾壱]鍋商品2015秋冬新作で考える日本の食卓、過去・現在・未来~一人でも家族でも


暑さ寒さも彼岸までとはよく言ったもので、来月の彼岸に近づくにつれて秋の足音が聞こえてきました。

鍋業界ではそんな秋冬に向けてさまざまな新商品が誕生しています。前回は自分好みの夏鍋開発として、レシピをご紹介しましたが、今回はもうちょっとお手軽に鍋を楽しめる市販品、食品企業各社が力を入れて開発した新商品をご紹介します。

今回のテーマは「出汁スープ」です。

鍋キューブ

まずは味の素株式会社さんの「鍋キューブ」。以前、鍋、つつこ。でも「[コソ鍋・参拾弐]日本代表もハマってる?!鍋キューブ、ご存知ですか?」で取り上げた固形型の鍋スープの素。2015秋冬の新作として投入してきたのがこちら「とんこつ味噌」が新登場。

鍋キューブ とんこつ味噌。

鍋キューブ とんこつ味噌。

鍋キューブの特徴は一個一人前という目安になっていて、一つのサイズが小さく、味の濃さを調整しやすいこと。今回の新作「とんこつ味噌」は8月10日に発売されたばかり。とんこつスープに赤味噌・白味噌・辛味噌の3種類の味噌を合わせたコク深い味わいの鍋つゆの素です。

プチッと鍋

続いて、エバラ食品工業株式会社さんの「プチッと鍋」から、「すき焼」「ちゃんこ鍋」の2種類の味が誕生しました。

プチッと鍋 すき焼&ちゃんこ鍋。

プチッと鍋 すき焼&ちゃんこ鍋。

プチッと鍋は、先ほどの鍋キューブとは異なり、ポーション(液体)タイプで用意されている出汁スープの素。こちらも一個あたりのサイズが小さく、一人でも使いやすい分量なのが特徴です。鍋、つつこ。ではきちんと登場したことはないのですが、実はすでに実食済み。液体タイプなので扱いやすい印象でした。

鍋スティック

今回最後に登場するのは、イチビキ株式会社さんの「鶏野菜鍋スティック」。

鶏野菜鍋スティック。

鶏野菜鍋スティック。

まず、このイチビキ株式会社という名前、恥ずかしながら初めて知りました(すみません)。調べてみたところ、創業は1772年(安永元年)!なんとすでに240年を迎える歴史と伝統のある企業です。創業時、幕府の株をもとに、味噌・たまり醤油の醸造を始めたことがきっかけで、味噌や醤油の製造を行っています。鍋の出汁スープについては各種発売しているのですが、この夏、初めてスティックタイプのこの「鶏野菜鍋スティック」を発表。8月20日から出荷を開始しています。ポイントはスティックタイプであること。まだ実食していないので、近いうちに試して鍋、つつこ。で報告したいと思います。

あとこちらのサイトをネットサーフィン(死語)していて気づいたんですが、僕の大好きな赤から鍋とのコラボ商品も開発しているんですね!一気に親近感が湧きました 🙂

現代社会を反映して

今回3社の商品を紹介しました。

鍋の出汁スープの素という共通点の他、もう一つ特徴的な共通点があります。

それは「一人前の分量」で用意されているということ。鍋の出汁スープは、たとえば瓶詰めだったり袋入りだったり、数人用のものは古くからありました。しかし、ここ数年、一人でも鍋を、家で楽しむためのこうした商品が登場してきているのです。

これは日本の現代社会を反映しているもので、キユーピー株式会社の2014年度の食生活総合調査によれば、20~69歳までの単身者を対象にしたアンケートでは87.7%が一人で夕飯を食べているという結果になっていました。単身者という前提があるにしても、かなりの割合。しかもこのレポート結果から2011年からの3年間で右肩上がりの傾向が出ているとのこと。つまり、最近の「日本社会では一人で食事をする」ことが一般化しつつあるわけです。

実際、僕なんかもランチはほとんど一人ですし、良し悪しの議論は置いておいて、一人で食事をすることは定着化してきていると言えるのではないでしょうか。一方で、鍋のように元々は大人数で食べることから始まった料理でも、一人で食べたい!というニーズが出てくれば、それに答えるのが市場です。つまり、今回紹介した商品の数々が、まさにそれ。

この点については、エバラ食品工業さんのプレスリリース(PDF)でも触れられていて、“「いまの、わたしに、ちょうどいい。」~自分にぴったりのおいしさと楽しさを満喫できる!”というコンセプトで生まれたそう。

他にも、最近ではお店で一人用の鍋を出す店が増えてきました(これとかこれとかこれをご覧ください)。

時代とともに、食の形が変われば、鍋の食べ方も変わる。新しいモノも生まれる。食文化って奥が深くてこの先もワクワクしますね。

eyecatch
(中央イラスト:(c)みふねたかし いらすとや

とは言うものの、鍋自体はやっぱり大人数でワイワイ・ガヤガヤ、和やかにアツく語ってつつくのが楽しくもあります。ですので、こういう商品を上手に使いながら、どんなシチュエーションでも鍋を楽しみ、鍋をつついていきたいですね。鍋、つつこ。ではこれからも「鍋」を120%満喫するための商品や道具を探求していきたいと思います。

「こんな商品があるよ!」「これをレビューしてください」「これについて調べてほしい!」などなど、ご要望がありましたら、ブログのコメント欄にコメントいただくか、fuon@nabe22.co までご連絡ください。


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