[コソ鍋・捌拾参]遊びに、文化に、ことわざに~日本人の心に染みわたる蛤鍋


今日26日は多くのところで仕事納めでしょうか。 2014年も納めて良い年を迎えたいモノですね。 さて、昨日から始まった、鍋アンケート。皆さま、ぜひご協力ください! [瓦版・拾陸]鍋に対する想いをお聞かせください。鍋、つつこ。アンケート! それではさっそく本日の鍋をご紹介しましょう。

貝・貝・貝!

今回初回するのは、新宿三丁目の呑み屋街にたたずむ「はまぐり」さん。その名の通り、はまぐりはもちろん、とにかく貝料理をふんだんに楽しめるお店です。

看板には「はまぐり」の文字。こだわりが伝わってきます。

看板には「はまぐり」の文字。こだわりが伝わってきます。

本当に貝を素材にしたメニューばかりで、鍋以外にもオススメがたくさんあるので、貝好きはもちろん、魚介を楽しみたい方にはぜひ行ってもらいたいお店です。 今回僕たちが食べた貝料理をちょっとだけご紹介。 こちらは北寄貝ウニ焼き。北寄貝の上にふんだんのウニを乗せて焼いたモノ。ウニ焼きは仙台名物の一つですが、ここ東京のど真ん中でも楽しめます。
北寄貝ウニ焼き。やばし。

北寄貝ウニ焼き。やばし。

こちらは貝の串焼き盛り合わせ。それぞれ味と食感が異なっていて、これまた満足できる料理です。
貝の串焼き盛り合わせ。

貝の串焼き盛り合わせ。

そしてこちらは煮貝。貝を煮ただけのシンプルな料理。だからこそそれぞれの貝の味を楽しめます。日本酒が進むね。
煮貝いろいろ。

煮貝いろいろ。

蛤鍋登場

今回のメインディッシュ。それがこちらの蛤鍋。じゃーん。

蛤いろいろ。今回は茨城産、中国産、そして産地として有名な桑名産の3種類を楽しめました。

蛤いろいろ。今回は茨城産、中国産、そして産地として有名な桑名産の3種類を楽しめました。

お店の人に聞いたところ蛤と言っても産地によって大きさや味がまったく違うとのこと。この日は大ぶりの中国産、味がしっかり付いている茨城産、ことわざにもなっている蛤の名産地桑名産の3種類が用意されていました。味比べが楽しみ。
コンロと蛤と野菜。

コンロと蛤と野菜。

鍋そのものはシンプルに。醤油に昆布だけ。あとは具から味が染み出します。
醤油と昆布のシンプルな出汁。ここに具材を投入。

醤油と昆布のシンプルな出汁。ここに具材を投入。

第1陣は茨城産と中国産のコントラストで

それでは鍋の準備を。まずは茨城産と中国産の蛤から。

さっそく入れていきます。まずは蛤から。

さそく入れていきます。まずは茨城産と中国産の蛤から。

全体的に広がったら次は野菜を。個人的に白菜はしんなりすのが好みです。
蛤に続いて白菜も。

蛤に続いて白菜も。

ここまで具を入れたらあとは煮込むだけ。
たっぷり入れてこれから煮込む。

たっぷり入れてこれから煮込む。

煮えてきました。
グツグツしてきた。

グツグツしてきた。

さぁ、蛤が1つ、また1つと開いていきます。全部開いたときが、つつきどき、食べどきです 🙂
蛤が開いたら、つつきどき。よそっていただきます。

蛤が開いたら、つつきどき。よそっていただきます。

ぷりっぷり。茨城産も中国産もとにかく美味い。個人的には中国産のほうが良かったかな 🙂
ぷりぷりの蛤がたまらない。さらに出汁にも蛤の旨味がたっぷり。

ぷりぷりの蛤がたまらない。さらに出汁にも蛤の旨味がたっぷり。

次は桑名産と中国産のコントラストで

第2陣、出陣。

第2陣、出陣。

これで終わりません。次は桑名の蛤を楽しみます。そしてたっぷりの春菊も。
右が桑名産、左は中国産の蛤。

右が桑名産、左は中国産の蛤。

出汁スープを追加。
追加出汁スープ。

追加出汁スープ。

第2陣はまず、蛤と春菊以外の野菜を投入して煮込みます。
蛤が煮えたあと、春菊はさっとね。

蛤が煮えたあと、春菊はさっとね。

蛤が開いてきたら春菊を入れてさっと煮て完成。 桑名産の蛤は味が繊細。上品な味わいでした 🙂

〆の雑炊が絶品!

いよいよ〆です。これだけたくさんの蛤を煮たからにはまずいわけがありません。っていうか、このスープだけを飲みたいぐらいw 今回は雑炊で〆ることにしました。

〆の雑炊。もうこの蛤の旨味が染み出した出汁スープがやばいです。

〆の雑炊。もうこの蛤の旨味が染み出した出汁スープがやばいです。

できました。
〆の雑炊、完成。

〆の雑炊、完成。

濃厚な味わいです。みんなおかわりしちゃいました。
みんなで鍋、つつこ。

みんなで鍋、つつこ。

そうそう。この日はモバツイやShopCard.meの開発者でもあるえふしんさんも一緒で。もちろん、こちらのお店もShopCard.meに登録されているので、ぜひご覧ください。 はまぐり :: Shopcard.me

古くは日本書紀にも~日本のことわざや文化にも浸透している蛤

今回は本当に貝・貝・貝、そして、蛤だらけの鍋を堪能しました。この蛤、たとえばお吸い物だったり、焼き物だったり、今回のような鍋だったり。さまざまな著理法で食べられる万能な具材。

日本書紀に登場した蛤

そして、ここ日本ではかなり古くから日本人に親しまれている素材とのこと。Wikipediaによれば古くは日本書紀に登場するぐらい歴史のある食べ物なんです。日本書紀、いつの時代の書物かご存知ですか? 養老4年(720年)、そう、今から約1,300年も前の歴史書。そんな時代から記録に残っているなんてすごいですよね。やはり周りを海に囲まれている日本だからこそ、海の幸を古くから楽しんでいたのかもしれません。

蛤の貝殻を使って貝合わせ

他にも、蛤には「貝合わせ」という遊戯でも使われていました。こちらは平安時代(794年~1192年)から伝わる遊びで、もともとの貝合わせは、合わせものの一つとして貝殻の色合いや形の美しさ、珍しさを競ったり、その貝を題材にした歌を詠んでその優劣を競い合ったりする貴族たちの遊びだったとのこと(Wikipediaより)。 それから時代が経つとともにいわゆる「神経衰弱」のように、同じ貝の組み合わせを当てるという遊びとして楽しまれてきました。こちらの貝あわせの場合、貝殻に絵柄を付けて楽しむということもあったようです。

その手は桑名の焼き蛤

最後にもう1つ、蛤にまつわる話として、蛤を使ったことわざ「その手は桑名の焼き蛤」を紹介します。これは、ダジャレから生まれたことわざとのことで、「その手は食わない」という文章の響きに、蛤の産地桑名で食べられている焼き蛤をくっつけて「その手は桑名の焼き蛤」ということわざが生まれたそう。だいぶべたべたですねw 桑名の焼き蛤は江戸時代から楽しまれていたようで、かの有名な『東海道中膝栗毛』の弥次郎兵衛・喜多八も桑名で焼き蛤を食べながら、「その手は桑名の焼き蛤」と言ったとか言わなかったとかw それにしても、ちょっと調べただけでもいろいろな逸話のある蛤。それを具にした蛤鍋、日本人の心に染み渡るものがありますね。こういう背景を調べることで、ますます鍋をつつくのが楽しくなります。 これからも、日本の遊びに、文化に、ことわざに触れながら、鍋、つつこ。 (文責・馮)

今回つついた鍋

種類: 蛤鍋
店名: はまぐり(新宿三丁目)
URL: http://tabelog.com/tokyo/A1304/A130401/13012114/

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