[コソ鍋・佰漆拾四]痺れる美味さ!辛さのハーモニー、汁無し鍋「干鍋」を五反田で


乾燥する季節に汁無し鍋

2月も中盤を過ぎ、どんどん春に向かっていきますね。この季節、まだまだ空気が乾燥する季節が続きます。風邪などにはご注意ください。 乾燥するといえば……これまでいわゆる熱い出汁スープの鍋から、冷たい鍋まで250以上の鍋をつついてきました。基本的にはスープ、つまり水分があるわけです。ということは、鍋にとって乾燥は無縁かな?と思いがち。 いやいや、鍋の世界は広いんです。以前、メンバー大崎がつついたこちら、まさにこれが汁無し、つまり乾燥した鍋。 [コソ鍋・捌拾漆]鍋界の異端児? 汁無し鍋の麻辣香鍋をつつく 僕自身これまで体験したことはなかったのですが、今回、ようやく汁無し鍋、乾燥した鍋を初体験!さっそくどうぞ。

五反田にある四川料理の名店「川菜苑」

お邪魔したのは五反田にある「川菜苑」さん。四川料理の店として有名です。

五反田から徒歩10分ほどの完成な場所にある店。

五反田から徒歩10分ほどの完成な場所にある店。

箸袋に入っている「味」の文字からこだわりを感じます。

「味」の一文字が入った箸袋。

「味」の一文字が入った箸袋。

このお店、本当に豊富なメニューがあって目移りしてしまうところ。そんな中、ここに来たら!ということでさまざまな四川料理を堪能しました。 まずはこちら。牛肉の四川風煮込み。四川豆板醤をはじめ、胡椒・山椒などたくさんの香辛料を使った味付けが最高!辛美味~!!

牛肉の四川風煮込み。

牛肉の四川風煮込み。

次も同じく四川料理。鶏肉の四川風炒め。先ほどの煮込みとはうってかわって各種香辛料と具材が直接触れる舌触り。

鶏肉の四川風炒め。

鶏肉の四川風炒め。

こちらは青椒肉絲。「あれ?四川料理?」とお思いの方、実は青椒肉絲は四川発祥とも言われているんです(が、諸説あって福建料理という説、広東料理という説などなど、詳しく調べると奥が深そう)。もちろん川菜苑の青椒肉絲は四川風。ピリッと辛い!

青椒肉絲。

青椒肉絲。

辛い、痺れる、つつく、食べるのKSTTサイクル

たくさんの四川料理を頼みつつ、「さて次は何にしようかな」とメニューを見ていたところ……

鍋発見!

鍋発見!

「鍋」の文字発見!そうです、これが汁無し鍋、干鍋です。ちなみに四川料理の鍋と言えば火鍋も有名ですね(鍋、つつこ。でもこれまでたくさんの火鍋をつついてきました)。 ということで“おすすめ”の「鶏の干鍋焼き」を追加でオーダー。最後についている「焼き」の文字は、まあ、さておき 🙂 こちらです。

鶏の干鍋焼き。

鶏の干鍋焼き。

干鍋とは書いてあるものの、多少は水分も残っているかな?でもそれをさらに炒めて焼きます。

パット見は鍋。でも汁は無し。

パット見は鍋。でも汁は無し。

火の通し方は、気分で。オタマで自分で炒めると中華料理人気分を味わえますね!

火を通して煮る……ではなく、炒めて焼く感じ。

火を通して煮る……ではなく、炒めて焼く感じ。

良い塩梅になったころにいただきます! 辛い!美味い!先ほど食べた鶏肉の四川風炒めとはまた違った風味。とくに唐辛子が大量に入っていて、見ため以上に水分が少ない(とくに唐辛子はチップス状態)です。そのサクサク感と、具材の鶏肉のモチモチ感、キクラゲのクニャクニャ感、セロリのシャクシャク感といった舌触りとともに、四川の辛さから生まれるヒリヒリ感を口の中で同時で味わえる体験。新感覚!ビールとハイボールで口を潤し、また食べる。止まらない。 辛い(K)、痺れる(S)、つつく(T)、食べる(T)のKSTTサイクルを絶え間なく続けられます。やみつきってこういうことか。 3人であっという間に完食しました。

調べてみたら意外にも!?

初めてつついて食べた干鍋、その特徴は汁が無い鍋であること。そして、大量の唐辛子。唐辛子といえば、主成分のカプサイシンは新陳代謝を活性化して、健康食品としての評価も高い食材です。辛いけどヘルシーなんですね! この干鍋、四川料理ということですし、四川の中心地・成都は古くは三国時代に蜀の都になったことをはじめ、さまざまな時代で中心地として栄えたところ。その場所の郷土料理であればそれはもう歴史が古いんだろうなと思ってネットで調べてみたところ、いわゆる今の形となった四川料理としての「干鍋」はけっこう新しい料理のよう(正確な文献が見つかりませんでした)。ほかにも類似の乾鍋(鉄鍋炒め)などは春秋時代から伝わっているという書物があるそうなので、ルーツ自体はかなり歴史がありそうです。 中国4,000年の歴史、まだまだ知らない鍋がありそう。 いつか成都に訪れて本場の干鍋をつつき、そして、三国統一を夢見た劉備玄徳や諸葛亮孔明の墓参りをしてみたいものです。 中国の歴史を思い浮かべながら、鍋、つつこ。 (文責・馮)

今回つついた鍋

種類: 鶏の干鍋焼き
店名: 川菜苑(東京・五反田)
URL: http://tabelog.com/tokyo/A1316/A131603/13177790/

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