時代が令和に変わってからの初めての冬。みなさん、鍋、つついていますか?
鍋、つつこ。で何度となく取り上げている鍋界の一大イベント、「ニッポン全国鍋グランプリ」が今年も開催されました。
ちなみに開催日はわれわれの設立記念日である1/25と、26日。
これは行かぬ手はない、ということで初日の開会にあわせて行ってきました。
帰ってきた、ニッポン全国鍋グランプリ
このニッポン全国鍋グランプリですが、もともとは埼玉県和光市の商工会が地域振興を目的として立ちあげたもの。
■「ニッポン全国鍋グランプリ」とは
ニッポン全国鍋グランプリ2020実行委員会(和光市商工会)プレスリリース(https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000002.000052485.html)より引用
地域の歴史に受け継がれた伝統鍋、地域食材を利用した新作鍋、新たな地域資源を活用した創作鍋など、鍋料理を活用した地域活性化の活動推進を「鍋文化」と称します。そして、日本の安心安全で豊かな国内食材資源による鍋文化を一堂に会し、優れた鍋文化を発掘・表彰し、日本の「和食」として世界に発信することを「ニッポン全国鍋グランプリ」の開催趣旨とします。
*2005年より始まり、今回で16回目を迎える日本最大級の鍋料理コンテストです。
例年、和光市役所前の特設会場で行っていましたが、昨年は関西の姫路での出張開催となっていました。
今年は本拠地和光市に戻ってきて、令和初の「ニッポン全国鍋グランプリ2020」となりました。
ちなみにわれわれ鍋、つつこ。がこのイベントに初めて参加したのは、設立2年目の2015年。以来、昨年の姫路開催以外は一度も欠かさずに参加をしている、ちょっと思い入れのあるイベントです。
以下、過去のようすをギャラリーで。
記事の一覧は以下なので、過去のイベント風景に興味があるかたはぜひご覧ください。
https://nabe22.co/category/nabegra
現地に到着。お出迎えはにこむっち。と思いきや……
会場は、東武東上線、有楽町線、副都心線が乗り入れる和光市駅が最寄り。池袋からは15分ほどの、比較的アクセスしやすい街です。
駅を出ると、 ギャラリー写真の一枚目にある公式キャラクターの「にこむっち」がお出迎えしてくれるはず…… 今年もにこむっちに会えると思いきや……?
今年はにこむっちではなく、わこうっちのお出迎え。
そばでパンフレットを配っていた関係者らしき方に「今年はなぜにこむっちじゃないんですか?」と聞いたところよく分からないようす。
しかし、40過ぎのおっさんがカメラもってゆるキャラについて質問するのを、その職員の方がどう感じたのだろうと思うと怖くて怖くてしかたがありません。
と、考えてもしかたがないので、会場まで徒歩で向かいます。
駅から会場までは大人の足でおよそ10分ほど。会場へ向かうであろう人たちが、心なしか早足で歩いています。
祭り感を盛り上げる屋台の列。
会場近くの細道に入ると、一気にイベント感が増します。
メイン会場までの細道に所狭しと並ぶこれらの屋台も、鍋グランプリを盛り上げています。
定番のB級グルメのほか、特産品などの屋台が並び、賑わいます。
屋台の出店には時代の流れというか、流行が反映されるのが面白いところです。
と、こんな賑やかな通りを抜けて、本会場へ。
いよいよ開会。
屋台の通りを抜けた本会場では、開会イベント。号令がかかり、いよいよ販売開始です。地元の和太鼓サークルが、開会イベントを盛り上げます。
気になる鍋を突き始める前に、まずは一通り会場を一回り。
会場ではさまざまな鍋が振る舞われ、 芋煮や土手鍋に代表される伝統的な鍋に、洋風・創作といった意欲作が並びます。
このあたり、日本の食文化の多様性を強く感じます。パンなどもそうですよね。アンパンやカレーパン、メロンパンなど、試行錯誤を経て定番化しています。
鍋、つつこ。がつついた鍋
そんなさまざまな鍋から、今回つついたのは以下の4種類。
- 鳥海なめこ汁(秋田県秋田市)
- 信州マタギ鍋(長野県安曇野市)
- 津山旨みたっぷり牛そずり鍋(岡山県津山市)
- 最上の納豆汁(山形県最上郡)
※すべての鍋は公式サイトのパンフレットでご覧いただけます。
http://www.city.wako.lg.jp/var/rev0/0092/5993/20191224132817.pdf
これまで数年にわたり足を運ぶ中、芋煮やきりたんぽなどの定番はすでに何回もつついているので、あえてそれらは外してみました。
では、順番にご紹介。
大ぶりのなめこが魅力。鳥海なめこ汁
最近スーパーでもよくみかける、大ぶりの「鳥海なめこ」がたっぷりはいった鳥海なめこ汁。しょっつるを使っているという出汁をベースに、柔らか鶏肉やせり、辛み大根といった具材がとてもよい仕事をしている鍋です。
このなめこがほんとうに美味しくて。出汁も味噌や普通のしょう油とちがうしょっつるベースということで、ほんのり香ばしさがあり、味の奥行きを感じることができました。
辛み大根、せりも美味しかった。子どもには少ししんどいかもしれませんが、好きな人にはたまらない味です。
なお、ここのブースはPRにとても力を入れていたのが印象的でした。
わたし的な今年の一番は、この「鳥海なめこ汁」でした。ごちそうさまでした!
目を引く店作りが印象的。信州マタギ鍋
つぎに紹介するのはこちらの「信州マタギ鍋」。味噌ベースのジンギスカンがたっぷりのった鍋です。こちらのブースは、大鍋に鉄板、目の前に並ぶ食材という、目を楽しませるレイアウトが印象的でした。
お味は、ジンギスカン(笑)。でも、たっぷり野菜と羊肉の組み合わせは悪くなく。ジンギスカン好きの人は楽しめると思います。
目を引くレイアウトに1票。
個人的な贔屓の品。 津山旨みたっぷり牛そずり鍋
私事ですが、母方の田舎が岡山県津山市のため、毎回つつくのがこちらの鍋。
ホルモンで有名な津山ですが、こちらのご当地食材「そずり」もまた隠れた名産。
この「牛そずり」とは、牛骨などのまわりについた肉を削り取ったものを言いますが、この「けずる」ことを方言で「そずる」ということからきた名前です。
お肉たっぷりということで脂っぽいのでは…….? と思うかもしれませんが、これがそれほどでもなく。
しょうゆベースの出汁に、キノコとゴボウの組み合わせで、意外とあっさりいただけます。
このイベントに訪れるときは毎回つつきますが、これはまったく飽きない味です。もし参加することがあれば、ぜひお試しを。
粘りがすごい、最上の納豆汁
最後につついたのは、最上の納豆汁。これは納豆の粘りが凄かった!(鍋自体は粘ってないです。入れる前のもの)
これだけ粘りがあると、納豆嫌いの人はとてもじゃないけど……と敬遠するかもしれませんが、「納豆汁」としての仕上がりからうける印象は、「香ばしい味噌汁」です。元納豆嫌いの私がいうので、間違いない。
「納豆汁」というとネバネバのイメージがどうしても浮かびますが、実際は違います。すごくざっくり言うと「質の高い味噌汁」。普通の味噌汁にはない香ばしさを感じます。
ブースの係の人との会話で「何回も来ているけど実は初めてだ」と言ったら、「それはダメだよ~!」と笑顔で言われてしまいました。すいません(笑)
という感じで、今年はこの4種類の鍋をつつきました。ホントはもっと試したいけれど、これが限界。ごちそうさまでした。
ゴミ回収を兼ねた投票
さて、食べ終わったら投票です。
食イベントではゴミの処理がよく話題にあがりますが、こちらのニッポン全国鍋グランプリでは、空き容器(丼)と投票券を引き換えるシステムです。
ここでもらった投票券を投票ポストに入れ、その結果で今年の順位が決定します。
この投票システム、たとえば4枚あったら4枚同じ鍋に投票することも可能。
今回は特に気に入った鳥海なめこ汁に3票、最上の納豆汁に1票を投じました。
順位予想
これを書いている2020/01/26 17:50時点では、結果発表が確認できていないので、勝手順位予想を。
- 牛すじシチュー鍋(昨年グランプリ。地元の利と、ブース場所の利がありそう)
- 富山の海の宝石 白えび鍋(過去に好成績。今回も行列長し)
- 富山の濃厚かにみそ焼カニかに鍋(こちらも過去に好成績。カニ好き多いだろうという予想から)
- 山形芋煮鍋(定番中の定番。手堅くこのあたりにいそう)
- 鳥海なめこ汁(今回のイチオシ。個人的な期待から)
ほか、10位以内に入りそうな鍋予想。
- つがるにんにく塩こうじ鍋(集客をとても頑張っていた)
- お野菜たっぷり! 腸内フローラ鍋(ネーミングのインパクト重視)
- 秋田きりたんぽ鍋(知名度抜群)
- 武田信玄 天下のほうとう鍋(こちらも知名度抜群の麺もの)
- 海のフォアグラ、あんこう肝鍋(過去のグランプリの意地見せるか)
順位が出たら、結果報告エントリを書きたいと思います。
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通算5回目のニッポン全国鍋グランプリですが、今年もとても盛り上がりを見せていました。都内近郊で多く催される鍋イベント、みなさんも足を運んで、いろんな郷土の味を楽しんでみてくださいね。
(文責:大崎)