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[鍋考・四拾四]回鍋肉の「回鍋」の本当の意味、ご存知ですか?

日本各地、すっかり冬になりました。関東地方でもこの週末、雪予報が出ていますし、北日本では数日前から猛吹雪の地域もあるとか。お気をつけください。

さて、ここで身体の温まる鍋の話題を……と思ったのですが、今日は、ふと見かけたあるツイートから。鍋という漢字を使った料理について取り上げてみます。

この記事は、令和初の鍋 Advent Calendar(ナベント)2019、5日目の記事です。

鍋 Advent Calendar 2019
https://adventar.org/calendars/4237

皆さん、ご存知の「回鍋肉」

まずはこちらのツイートをご覧ください。

こちらは、最近、僕が食の情報源として大変参考にしている80CさんのTwitter投稿。ある動画を紹介しています。この動画では、日本でもおなじみの中華料理「回鍋肉」を作る様子を紹介しています。

日本と違ってキャベツの代わりにニンニクの若葉を使ったり、本場の調味料を使ったりと、めっちゃ美味しそうですね!でも、今回の本題は味そのものではなく、「料理の仕方」と「料理名」に注目します。

前フリが長くなりましたが、 ツイートにもあるように、もともと回鍋(中国語で鍋に戻すの意)から名前が付いたのが、回鍋肉という料理なんです。

僕、この動画を見るまで、回鍋肉って、鍋の中で肉を回して炒めるから付いた料理名だと思っていたんですよ(この誤解は、Wikipediaの脚注でも、テレビ番組で誤解があったことについて取り上げられていました)。

でも、繰り返しになりますが、実際は中国語の「回」が持つ「~に戻る」という意味で、まず鍋で豚の塊肉を煮込み、それを引き上げて薄切りにし、もう1度鍋に戻して、炒める、という手順がそのまま料理名になっています。

漢字って日本人でもある程度理解できる分、意味が異なると、誤解を招いてしまいますね。

ランチに食べた回鍋肉定食。こちらは日本仕様、キャベツ入り。

閑話休題。

中華料理で使う鍋って、すごく存在感があって特徴的です。下の写真は5年前、鍋、ぶらり。で訪れたかっぱ橋道具街で見つけた中華鍋。こういう鍋を自由自在に扱えたらかっこいいね!

中華鍋、デカイ!
(ニイミ洋食器)

 

意外と多い?日本語と中国語で意味が違う漢字や単語

さて、今回、回鍋肉という鍋が付く料理名をきっかけに、日本語と中国語で異なる意味の漢字について注目しました。今回の「」に限らず、実は、こういった例はいくつかあります。

たとえば、次のようなもの。

漢字日本語の意味中国語の意味
机(家具)機械
湯(水を沸騰させたもの)スープ
謝る感謝する
手紙手紙トイレットペーパー
汽車汽車自動車
愛人愛人配偶者

漢字自体が中国の黄河文明で発祥した表語文字で、もともとは中国から日本に伝来してきたもの。現在も、中国では日本で使われる漢字を汉字と呼び、分けています。

そういった背景もあり、同じ漢字でも、意味が異なる場合があります。

今紹介した例で言えば、汽車(日本語:汽車、中国語:自動車)は、移動手段という大きな枠でくくれば、まあありかなと思いますがw、たとえば、湯の場合、中国のレストランで(日本的な)湯が欲しいと言ったらスープが出てきてしまいます。他にも、中国の愛人というのを、日本語の意味で捉えたら、状況によってはオオゴトになってしまいますねw

以上、今回は、鍋が付く料理から、少し変化球で日本と中国の漢字の意味の違いについて取り上げてみました。

こうしたちょっとした気付きから、いろいろと調べてみるのも楽しいものですね。皆さんも是非、何か面白い情報、小ネタがあったら教えてください。

鍋、つつこ。では、過去、次のような「鍋」にまつわる話題も取り上げていますので、よかったらご覧ください。

この冬は、小ネタを肴に、鍋、つつこ。

本記事は鍋 Advent Calendar 2019に参加しています。

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(文責・馮)

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