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[コソ鍋・佰参拾捌]薬膳火鍋に人間関係を見た? 薬膳レストランで毒素排出鍋をつついた

最近ジュースクレンズなるものを試してみました。

1日から数日間、コールドプレスしたジュースだけを飲んで過ごしてデトックスをするというプチ断食的なプログラムです。

医学的には効果が疑われているとのことですが、ビールが美味しい季節である夏の暴飲暴食で弱った胃腸を休ませるという観点では効果ありなのかな? とも思ったりします。

そんな感じでデトックスに興味があったおりに見つけたのが今回のお店、10ZENさん。「毒素排出鍋」というすごいネーミングの鍋があると知り、早速つついてきました。

漢方、漢方、漢方。

こちらのお店、漢方ミュージアムに隣接という一風変わった立地なのですが、調べてみて納得。あの「からだ巡茶」をプロデュースしている会社さん(薬日本堂さん)なんですね。からだ巡茶、私も好きです。

お洒落な入り口

日本堂さんの看板。からだ巡茶を作ってるってのを初めて知った。

鍋の店と同じ建物にある漢方の店。

漢方ミュージアム、漢方ブティック、漢方スクールに、薬膳を提供する10ZEN。

漢方のオンパレード。まさに漢方の総本山っていう感じです。

毒素排出鍋をつつく

あまり感心してても始まらないので、さっそくお店に入ります。

この日は実は予約をしていなかったのですが、2時間までという制限つきで入店できました。あとで気付いたのですが、19時過ぎにはもう満席。女性の方が多く、人気店であることがうかがえました。

さっそくメニューを見てオーダーします。

メニューの表紙。こちらもなんかおしゃれ

薬膳サングリアなんてのも。興味ある!

今回の火鍋に登場する野菜たちの紹介

いろんな生薬が使われているんですね

こちらの鍋メニューは、以下の5種(10ZENウェブサイトから引用:http://10-zen.com/restaurant/dinner/)。

どれも気になってしかたがない! とくにYoga鍋!

 

しかしここは初志貫徹で毒素排出鍋をオーダー。

その前に、店員さんに鍋が出てくるまで少し時間が必要なので、おつまみなどいかがですか? と勧められます。

ここはアドバイスに従って、かるく別のものも注文しました。

トマトと桃と蜂蜜のスムージーが最初に出てくる

生姜ビール。身体が温まる

野菜のピクルスをおつまみ代わりに。美味しい

サービスで出てきたスムージーは美味しかった! そして新鮮な野菜のピクルスも。

 

そうこうしているうちに、いよいよ鍋の登場です。

鍋登場!

スープのひみつ

こちらはアッサリ

麻辣的なスープだけど、それほど辛くない

なにやら重厚なイメージの鍋に辛みそ味と塩味の2種類のスープが入ってやってきます。中にはたくさんの生薬が浮いています。もうこれだけで健康になりそうな気分です。

火鍋といえば辛いイメージですが、辛みそのほうは適度にぴりっとくる感じで甘味さえ感じます。塩味はあっさりですが、ちゃんとコクも感じられていいお味でした。

そして漢方といえばやはり苦いイメージ。ですがそれは全くの杞憂で苦みはまったく感じませんでした。むしろ良い風味として活きている感じがしました。

 

スープを味わっているうちに、具材が登場です。

野菜の盛り合わせ。最初は少ない? と思ったけど、全然多かった

ぐつぐつと。

まずは麻辣のほうから

お次はアッサリのこちらで

メインはこちら。白身魚とシャモを選択。真ん中は海老つくね

シャモはぷりっぷり!

具材はたっぷりの新鮮野菜と、霧島豚・シャモ・もつ・白身魚から2つ選べるメイン具材。今回はシャモと白身魚を選択しました。

野菜はちょっと少ないかな? と思いましたが、皿が実は深くて。写真には写っていませんが、新鮮レタスがたくさん潜んでいました。おなかいっぱいです。

おなかいっぱいで挫けそうになりますが、せっかくなので最後の〆を。コラーゲン雑炊かレンコン麺のいずれかを選択できますが、ここはちょっと珍しいレンコン麺を選びます。

〆はレンコン麺

コシのあるうどん風の麺

実はこの日は肌寒い日で、店内もけして暑くはなかったのですが、食べ終わるころには汗がすごく出ていて。汗は気化熱で熱を下げるのと同時に身体の不要物を排出する役割があると言われますが、さすがに毒素排出鍋。名前のとおり、悪いものが出て行った気がしました。

ビールのあとは生姜ハイ

ちなみに。こちらのお店には、生姜を利用したドリンクが多くありました。

この日は生姜ビールと生姜ハイを頼みましたが、どちらかというと体温を下げる飲み物に生姜が加わることで、とても身体がぽかぽか。こんなところでも生薬の力を感じました。

うん、美味しかった!

漢方ミュージアムへ

さて、毒素排出鍋を美味しくつついたあとは、せっかくなので隣接する漢方ミュージアムにも足をはこんでみました。

隣接するのは漢方ミュージアム

さまざまな生薬が展示されている

ずらーっと。壮観

これはなんだろう?

セミもあった! びっくり

中に入るとすぐに目に付くのが多くの生薬の展示。これだけずらっと並ぶと壮観です。

医を司る伝説上の人物に古代中国の神農がいますが、これらの生薬を実際に目にすると、これらもまた古代から連綿と受け継がれた人類の資産なんだなあとしみじみと感じます。だって普通に考えてセミが身体にいいとは思えないですから(笑)。

陰陽五行説

ちなみにこのミュージアムで一番興味深かったのがこの展示。

陰陽論はこの世の全てのものは陰陽の2つに分類されるとする考え方、五行説はそれらが5つの要素で互いに関連しあいながら成り立っているという考え方とされます。

ここでは人のからだとそれをつくる食べ物の観点での解説がされていました。

陰陽と五行の思想

この五行説で表される関係性のうち有名なのは相生と相剋ですが、実はほかにも以下のような関係性があるそうです。

五行思想(Wikipediaより)

  • 相生
    順送りに相手を生み出して行く、陽の関係。
  • 相剋
    相手を打ち滅ぼして行く、陰の関係。
  • 比和
    同じ気が重なると、その気は盛んになる。その結果が良い場合にはますます良く、悪い場合にはますます悪くなる。
  • 相侮
    侮とは侮る、相剋の反対で、反剋する関係にある。
  • 相乗
    乗とは陵辱する、相剋が度を過ぎて過剰になったもの。

こうみると、組織や人間関係に通ずるところもありそうです。

相生や比和あたりはわかりやすいですね。一方で相剋も見方を変えてみると、バランスをとるいう観点では有効な感じがします。例えば猪突猛進型のピッチャーを大局をみる能力をもつキャッチャーと組ませるとか。制することでバランスをとる、という考え方なんだと思います。

また、相乗もとても興味深いです。Wikipediaには「木乗土:木が強すぎて、土を克し過ぎ、土の形成が不足する。」とあるように行きすぎが凶につながるという考え方ですね。

これらの思想をもとにものごとの関係性をとらえ、全てが調和するように整えて良い方向に導くのは風水の考え方だと思っていますが、この姿勢は運勢判断だけではなく、日常から取り入れてもよい考え方だなとあらためて感じました。

なにごともバランスが大事。そしてバランスを整えるためにあらゆるものごととその関係性を正しく理解する。それがよい生活を生む。身体も然り、人間関係もまた然り。

そんなことを考えさせられたこの日の鍋でした。

 

とはいっても、難しく考えずに、鍋、つつこ。

(文責・大崎)

今回つついた鍋

種類: 毒素排出鍋
店名: 10ZEN
URL: http://10-zen.com

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