2014年最後の金曜日。仕事納めと思われる人達で賑わう恵比寿の片隅で、珍しい汁無し鍋をつついたので、そちらをご紹介します。
ここでいいんだよね…?
今回つついたのは、恵比寿の線路際を登っていったところにあるビルの一室。
はい「一室」なんですよ。どういうことかというと…?
普通飲食店というと、店先に看板が出ていたりするものですが、こちらにはそういったものはなく。住所とビル名を頼りに階段を上ると、どう見てもお店と思えないドア。これはなかなか入るのに勇気が要ります。
間違い無いよね? と思い、階段の脇にあるポストを見てみると、そこにはこんなものが。
うーむ。相変わらず店っぽくはないものの、個人宅でもなさそうと安心して、中に入ります。
お店のイメージは赤。この日は19時30分ぐらいに入店しましたが、すでに混んでいます。お客さんの割合としては女性7:男性3といったところ。人気店のようです。
そんなこんなでテーブルにつくと、店員さんがおしぼりとお通しを持ってきてくれました。
のっけから赤!
さて、こちらのお店は火鍋をはじめとした辛い中国料理を出すお店ですが、お通しからいきなり辛さ炸裂! 的なものがやってきます。
ぼくは辛いものが大好きなのですが、とはいえ若干引き気味… これはいかんだろう! と思いつつ、おそるおそる食べてみると?
「辛くなーい!」
見た目とは裏腹に、非常に食べやすい。食感もサクサクでいい感じです。
サクサクやりながらいくつか料理を頼むと、今度はこんなものが出されます。
大好物のパクチーが! 根っこがついたまま豪快に出されます。そしてこれ、おかわり自由とのこと。これは嬉しい。パクチーや辛いモノ嫌いの人には地獄のようなラインナップだと思います(が、嫌いな方はおそらく来店しないと思うので大丈夫かと)。このパクチーは後ほど大活躍します。
ここでメインの鍋の前に前菜的に頼んだものがやってきます。
赤・赤!
先ほどの唐辛子スナックと合わせて赤が三連続。赤・赤・赤で黒い三連星ならぬ、赤い三連星。
これまでの赤のイメージが強烈なため、赤くなく見えますが、普通に見たら十分に赤い。ピリ辛でビールによく合います。
こちらの海老の料理は、唐辛子を避けて食べてくださいと言われます。ちょっと口にしてみましたが、これはヤバイ。避けるが正解。
こうしていろんな辛みを堪能しつつ、そろそろ真打ち登場です。
汁無し薬膳鍋・麻辣香鍋 登場!
麻辣香鍋は「マーラーシャングオ」と読むそう。
北京熱烈流行。10種以上の旬野菜の素揚げとお好みの材料を たっぷりの朝天唐辛子とオリジナル火鍋醤で一気に炒める。 汁なしの火鍋である
とのことで、メニューの中から「お好み」を1人ひとつずつ選びます。
「鍋底」というのが基本部分で、そこにトッピングをするイメージですね。今回は「厚切り豚バラ」「ほたて」「ホルモン組合」でお願いしました。
そしてしばし待つと…
いやあ、赤い! これだけ赤いものを見続けると網膜が疲れて反対色である緑が見えてきそう。ちなみにこの唐辛子も避けて食べるのが推奨だそうで、唐辛子よけのボウルが別途出てきます。
このボウル、けして小さくないにもかかわらず、すぐに満杯に。それぐらいたくさんの唐辛子が入っています。
「鍋」の常識を覆すまさかの汁無しと、猛烈な唐辛子責めとインパクトだらけですが、つついてみないことには始まらない。ということでつついてみると…
うん、美味しい。そして思ったほど辛くない。
※大崎は辛いものが大好きなので辛さの感覚はもしかしたらちょっと違うかも。
イメージとしては、温野菜に近いかも。先ほどのメニューの「鍋底」にあったたくさんの野菜がいい感じにホクホクしていて、そこにトッピングで入れたタンパク質系の具材がよく合います。
汁無し鍋と聞いて最初に連想したのは汁無しラーメンで、事前の印象では脂っぽいものを想像していたのですが、全然そんなことはなく。これはこれまでになかった新しい発見かも。
おかわり自由のパクチーと合わせながら、どんどんと箸が進んでいきました。
〆の雑炊も新しいスタイル
あらかたつついていくと〆をどうするか聞かれます。
- ミニラーメン
- スープチャーハン
の2択なので、鍋には雑炊的なイメージから、ご飯モノであるスープチャーハンを頼みます。
このまま食べても良し、鍋の残り汁を混ぜて食べても良し、ということでしたので、当然鍋の残り汁をかけて食すことにします。
あっさり味のスープチャーハンに、辛みと鍋の具の旨みが凝縮された鍋汁、そしてパクチー。贅沢な〆をいただきました。
鍋で体と心の健康を
さてさて、ここまでご紹介してきたもの、全て唐辛子が一役、一役どころか主役をはっている料理ばかり。
唐辛子といえば、主成分のカプサイシンは新陳代謝を活発化するとともに、食欲促進効果・胃腸の健康促進など、健康食品としての評価も高いですね(もちろん摂りすぎはダメですが)。
「医食同源」という言葉がありますが、
病気を治療するのも日常の食事をするのも、ともに生命を養い健康を保つために欠くことができないもので、源は同じだという考え。
[補説]古くから中国にある、体によい食材を日常的に食べて健康を保てば、特に薬など必要としないという薬食同源の考えをもとにした造語といわれる。デジタル大辞泉 – 医食同源
鍋料理の特性上、いろんな種類の具材を上手に摂取できるのが鍋のいいところの一つ。そして、鍋を囲んでみんなでつつく、会話をしながら食事をするという図式を自然に提供する鍋は、会話を通して心の健康を促進するという効果も見込めます。
健康食は数あれど、体と心の両面に効く健康食って鍋ぐらいじゃないかしら? などと考えつつ、年末の夜は更けていきました。
もうすぐ2014年も終わりますね。皆さまよいお年をお迎えください。そして願わくば、年末年始に親しい人とぜひ鍋をつついてください。
歳納めにも、鍋、つつこ。
(文責・大崎)
今回つついた鍋
種類: | 麻辣香鍋(マーラーシャングォ) |
店名: | 中村 玄 (なかむら げん) |
URL: | http://tabelog.com/tokyo/A1303/A130302/13032271/ |