馮です。こんにちは。
来週はもう3月、冬眠していた虫が出てくると言われている啓蟄まであと1週間ほどとなりました。春はもうすぐそこですね。
春を迎えるのは嬉しいものですが、僕たち「鍋、つつこ。」としては鍋のオンシーズン、冬をもっともっと満喫しなければなりません。
ということで、今回紹介するのは、冬の味、そして、東の鍋の横綱として、「西の河豚、東の鮟鱇」と称されている「鮟鱇鍋」をご紹介します。
先日の「[第弐鍋]ぜんぶ雪のせいだ。ただし、一部を除く。」でもお伝えしたとおり、当初は第弐鍋でつつく予定でしたが、諸事情によりつつけず。なので、大崎・日菜子両メンバーにコッソリつついちゃいました。まさにコソ鍋。ニヤリ。
とにかく鮟鱇のインパクト
今回おじゃましたのは東京・神田にある「あじぐら なまこ屋」さんです。「なまこ屋」なんてちょっと珍しい店名ですよね。調べてみたら、先代が「世間にない面白い名前を付けようと思った」とのこと。そこで「最初になまこを食べようと思った人には勇気があるって言われている」という、そのユニークさを取り込む意味も込めて付けられたそうです。
食に対する好奇心、そしてこのポジティブシンキングはすごくいいですね。「鍋、つつこ。」としても見習いたいです。
さらに、こちらのお店、創業は昭和50年5月とのこと。奇しくも僕も昭和50年生まれ。同い年。たまたまですけど、不思議な縁を感じます。
さて、前置きが長くなりました。今回は鮟鱇の魅力を前面に押し出します。どうぞ!
カウンターに座り、ふと前を観ると……。
!!!
どーん。鮟鱇とご対面。吊るされてるから対面ではないか(笑)
ちなみにサイズはこのぐらい。デカイ。左はオーナー兼料理長の芳沢久さん。
さぁ、鮟鱇鍋をつつくぞ!………と、その前に。さまざまな鮟鱇料理を堪能したので、まずはそちらを 🙂
上から、鮟鱇のお造り、鮟鱇の唐揚げ、特大鮟肝。鮟鱇づくし。
うーん、旨い。ついつい日本酒が進みます。本当に旨し。
鮟鱇の解体、鍋の煮込み、〆の雑炊、完璧な物語
そして、本日の主役鮟鱇鍋。食べる前にも物語が展開されます。そう、鮟鱇の解体です。ご存知の方もいらっしゃるかと思いますが、鮟鱇は非常に柔らかい身体をしているため吊るした状態で捌きます。
せっかくなので、解体の臨場感を動画でもお届けします。
今回三分割にしていますが、始まりから終わりまで約数分。見事な包丁さばきでした。
ふたたびご対面。だいぶスリムに。解体ダイエット(違
そしていよいよ鍋。鮟鱇鍋の登場です。
どーん!
なまこ屋さんでは、出汁はあんこうの肝と味噌、酒で作られた「どぶ汁」仕立てのもの。とにかく旨いです。あん肝が溶け込んでいるあたり、酒呑みにはたまりませんなぁ。
ちなみに見事な鮟鱇の解体の後、板さんにお話を伺ったところ、「鮟鱇って捌くのは皆さんが想像するより簡単なんです。ご覧いただいたとおり、捌く部分を押さえて、あとは包丁が扱えればたぶん誰でもできますよ。逆に、(身がしっかりとした)白身魚を三枚におろすほうが難しいんです。三枚におろすと言ってもご家庭で見られるような大名おろしではなくて、きちんと背骨に沿って、左身、右身、骨をおろす、身と骨をきちんと切り分ける本当の三枚おろしは料理人の腕の見せ所ですね」とのこと。
そうなのかー。正直、見た目のインパクトに気を取られましたが、魚は捌き方一つとっても奥が深いです。それでも、そうは言っても「板さん、またまたご謙遜を」って言いたくなっちゃうぐらいの包丁さばきでした。
今回は、冬の鍋・東の横綱「鮟鱇鍋」を思う存分満喫しました。鮟鱇のインパクトからはじまり各種鮟鱇料理、そして鮟鱇の解体からの鮟鱇鍋と、一つの「鮟鱇物語」をお届けしました。いかがでしたか?
なまこ屋さんでは4月まで鮟鱇鍋がつつけるそうなので、このタイミングを逃さずにぜひ!
あ、そうだ。エピローグを忘れてた。残った出汁で作った雑炊です。これ、本当に本当に旨かった~
これにて鮟鱇が繰り広げる冬の物語。了。
これからも鍋から広がる物語を楽しみながら、鍋、つつこ。
(文責・馮)
今回つついた鍋
種類: | 鮟鱇鍋 |
店名: | 旬味酒菜 季節会席 なまこ屋 |
URL: | http://r.gnavi.co.jp/g705700/ |